「完全栄養食」の研究を進める日清食品は、5月下旬から約4週間、伊藤忠商事の社員食堂で「完全栄養食メニュー」を提供する。日清食品が研究を進める最新の分子栄養学に基づく試験的な取り組みの一環として伊藤忠商事協力のもと実施するもので、約100人を目標に平日の朝食、昼食として提供する。


今回提供するのは、カロリーオフしつつ、おいしさや満足感はそのままに、厚生労働省が示す日本人の食事摂取基準で定められた33種類の栄養素のバランスが完全に整った状態の献立。食塩についてはスマートミール基準を参考にした。ハンバーグ定食やカレーライスなど、一般的に社員食堂で提供されるメニューの形で、栄養素のバランスを整え提供する。

日清食品は2019年、グループ社員83人を対象に完全栄養食メニュー提供の臨床試験を実施しているが、その結果、体重、体脂肪率、BMI、血圧、中性脂肪といった数値に改善が見られたことから、昨年10月に開催された「第27回日本未病学会学術総会」で試験結果を発表(演題・「摂取エネルギーを抑えつつ栄養バランスを整えた食事プログラム」が健康状態や健康意識に与える影響)している。

伊藤忠商事は、企業理念「三方よし」の精神に基づき、特色ある健康経営を積極的に推進しているが、日清食品からの試験提供の申し出を受け、今回の取り組みにつながった。

日清食品では、伊藤忠商事との取り組みをモデルケースとし、今後、多くの企業に「完全栄養食メニュー」を導入してもらうことで、「食」を通した社会貢献を実現していく考えだ。
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