
たとえば「『からあげクン』を揚げてほしい」といったオーダーメイドは、これまでも各店舗の裁量で一部対応している模様だが、Uber Eatsアプリを活用してオーダーメイドのシステムを構築したのはコンビニ業界で初めて。
構築の背景には、店内厨房商品と「からあげクン」などのフライ商品のクオリティへの自信がある。
開始した10店舗のうち店内厨房商品を唯一扱う世田谷桜新町二丁目店で1日取材に応じたローソンの吉田泰治新規事業本部本部長補佐兼新規サービス推進部長は「実証実験の一番のポイントは、厨房商品やフライフーズをできたてアツアツで食べほしいという点。フライは揚げたてが一番おいしいが、できたて商品を手にする機会は限られていることから事前予約できる仕組みを構築した」と語る。
「フライは揚げたてが一番」と語る吉田泰治氏(ローソン) オーダーメイドシステムは多くの外食店で採用されているが「ローソンの商品も外食店に対抗できるくらいのクオリティがあると自負しており徐々に浸透させて固定客を獲得していきたい」と意欲をのぞかせる。
ローソンではUber Eatsなどのデリバリー対応店舗を拡大しているが、デリバリーとの違いについては「デリバリーは一食分を完結するのに適しているが、お持ち帰りサービスは3人以上のご家族での食卓の一部を担っていくことを想定している」。
事前注文によって、店側では廃棄ロス削減、利用者としてはおいしい状態で食べられるという双方のメリットを見込む。
実証実験では特に顧客ニーズとオペレーションに注視していく。顧客ニーズでは「夕方に『からあげクン』を注文される主婦の方やホームパーティに注文されるお客さまといった仮説を一つずつ確認し商品群などを改善していく」。

オペレーション効率や顧客ニーズを加味し、デリバリー専用品として一部店舗で取扱中の「からあげクン 30粒入」や「鶏から 20個入」などの大容量タイプも取り揃えている。
お持ち帰りサービス対象商品は、店内厨房商品を中心に50~60品をラインアップ。

「3か月でどれだけ固定のお客さまがつき、どのようなお客さまがご利用され、どのような商品が売れるのかをみていきたい。追加のコストが発生するわけではないので、ある程度実験を重ねながら改善していきたい」と語る。