「ジョージア」から極小PETコーヒー 缶とほぼ同サイズ カニバリ覚悟で挑むコカ・コーラ、勝算は?
坪根秀史氏(日本コカ・コーラ)
5日、「ジョージア ショット&ブレイク 微糖」「同ブラック」の2品が税別125円の希望小売価格で新発売される。

容量は195㎖で、飲み切りタイプのSOT(ステイ・オン・タブ)缶コーヒーの一般的な容量(170~185㎖前後)とほぼ同サイズとなる。


「ジョージア」では「エメラルドマウンテンブレンド」など多くのSOT缶商品をラインアップし、同一ブランド内でのカニバリゼーション(共食い・奪い合い)が想定されるが、ショートブレイクの変容に「勝算あり」とみている。

6月30日発表した日本コカ・コーラの坪根秀史マーケティング本部コーヒー事業部シニアブランドマネージャーは、カニバリを想定しつつも「缶コーヒーではとらえきれなくなってきているショートブレイクの機会をとっていきたい」と語る。

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坪根秀史氏(日本コカ・コーラ) まずショートブレイクの機会がコロナ禍で拡大していることに商機を見いだす。

「着々と浸透するテレワークなど働き方の変化が大きく影響している。特にテレワークの環境下においてはオン・オフの切り替えが難しく、ショートブレイクをとって気持ちを切り替えたいニーズが増加している」と述べる。

ショートブレイクのあり方が多様化していることにも着目する。


「同僚・上司と休憩室などで一服するのが過去のショートブレイクで、一人でスキマ時間に『いつでも・どこでも』というのが現代のショートブレイク」と説明する。

現代のショートブレイクの中で、再栓できない缶コーヒーではとらえきれないシーンとしては、中味をこぼせないパソコンでのデスクワークや電車の待ち時間など時間に余裕がないシーンを挙げる。

「消費者から『缶コーヒーをスキマ時間に飲みきれず、最後に一気飲みしづらい』といったお声が多く上がっている。ショートブレイクに一度飲んで、途中でキャップをしめて次のシーンに持っていけるのも『ショット&ブレイク』の特徴」とみている。

キャップで再栓できるという点では、ボトル缶という選択肢もあるが「PETはすべての世代において非常に受容性が高くなってきている」ことからPETを選択。

中味も追求。
「16年に『エメラルドマウンテンブレンド』で小型PETを展開したときと比べPETに対する受容性が高くなってきたのは大きな変化。16年のときのラーニングをしっかり生かして今回開発した。やはり缶コーヒーをただPETに移しただけではダメで、中味にもこだわった」と語る。

売場は、缶コーヒー棚に並べてもらえるように提案。自販機では缶コーヒーのコラムに積極導入して「消費者にショートブレイク向けのコーヒーであることを分かりやすく伝えていく」。

マーケティング活動は、5日に山田孝之さんが出演する新TVCMを放映開始するほか、デジタル広告・キャンペーン・新聞広告・コンビニプロモーションなど多面的に展開する。