2食プレミアムタイプを強化している日清食品チルドでは、「昨年、チルド麺市場が大きく伸びた理由の一つが、10~30代の若年層利用率が大変よく伸びたこと。こうした若年層が比較的利用している商品が、つけ麺、まぜ麺といった商品群。われわれの直近の販売状況の中で、『行列のできる店のラーメン』『つけ麺の達人』『まぜ麺の達人』『有名店』シリーズといった商品が引き続き非常に好調に推移している。高価格帯のラーメン、つけ麺、まぜ麺は前年を超える勢いが続いている。チルド麺のマーケットは(前期と比べ)非常に厳しい状況だが、弊社の前半戦の販売状況としては、おそらく前年を上回っていけるのではないかととらえている」(伊地知稔彦社長)と手応えを示す。
こうした市場環境の変化は、メーカーの下期商品政策にも反映されている。日清食品チルドは、今年発売25周年を迎える「行列のできる店のラーメン」、若年層の支持が高い「つけ麺の達人」「まぜ麺の達人」に加え、「食べログ」とコラボした「日清食品チルド×食べログ 百名店」シリーズを発売する。ラインアップは「中華そば多賀野煮干し醤油2人前」「らぁ麺飛鶏鶏白湯そば2人前」「麺屋雪風濃厚白湯味噌2人前」(各税別460円)。若年層に支持される「食べログ ラーメン百名店」に選出された店の看板メニューの味わいを再現した。
シマダヤは「昔なつかしの『本生』ラーメン」ブランドの新フレーバー「とんこつ醤油味3食」(税別340円)、「ピリ辛スパイスまぜそば2食」(税別330円)を秋冬新商品として発売する。加えて、リピート率が高い「『極濃』シビ辛味噌ラーメン2食」(税別400円)はリニューアルに合わせて価格を改訂し若年層のさらなる取り込みを狙う。
東洋水産は名店コラボ商品「ラー麺 ずんどう屋監修 濃厚とんこつラーメン2人前」(税別400円)、プレミアムタイプの2食「コクの一滴」シリーズに新フレーバー「横浜家系醤油豚骨2人前」を追加。
各社とも「つけ麺」「まぜ麺」「有名店」「ご当地」をキーワードとするプレミアム商品を市場投入することで、「コロナ禍でつかんだユーザーをがっちり逃がさない」「コロナ禍を機に顕在化したニーズに対応していく」(メーカー)考えだ。