サッポロビールの缶チューハイ(RTD)「濃いめのレモンサワー」は、19日の出荷で年間販売計画数量の380万箱(250㎖×24/箱)を超えた。3月の発売時から好評で5月には計画を上方修正していた。
年内には、サッポロビールが投入した単一フレーバーのRTDとしては過去最高の販売数量での着地を予想する。

RTD市場では、19年以前からもレモンフレーバーが最大勢力だったが、コロナ禍後も拡大を続け、昨年のRTD内におけるレモンの構成比は43%に達しており、今年は50%近くまで伸びるといった予測もある。

フレーバー別では、レモンサワーは市場平均(145円)よりやや高い149円だが、価格帯も多様化。中でも昨年は、中高価格帯が19年比で大きく伸長したが(インテージSRI+)、スタンダード帯も支持が厚い。

「濃いめのレモンサワー」好調要因の一つとして、リーズナブル価値戦略を挙げる。サッポロでは、一人の消費者の中で「プレミアム」と「リーズナブル」という価値の二極化が進行したとみて対応する戦略を進めており、「濃いめ」をリーズナブル価値の中心商品と位置付けて展開したことが奏功したという。
また、濃いめの味わいに対する評価も高く、食事に合うといった声が寄せられている。

「濃いめ」は、19年に投入した「濃いめのレモンサワーの素」が母体。両者で世界観や施策を統一、連動させたこともブランドの認知向上に寄与している。「素」では、家庭用商品だけでなく、業務用商品が量販店で扱われることもあり好調だ。

「濃いめ」だけでなく、「レモン・ザ・リッチ」ブランドも2月の刷新後から動きが良く、8月発売の「WATER SOUR レモン」も好調だ。