農水省報告によると、昨年の大凶作に続き令和7年生産量も主産地の和歌山県で発生した着果不良と降雹の影響で前年比2割減を見込む。着果不良の主因は、開花後の天候不順による満開期短縮とミツバチの不活性。降雹による被害額は約48億円。同省は支援策として農薬保険・薬剤散布支援・病害対策等の実施、安定生産化を目指した新品種開発に取り組む。輸出は生鮮・加工品ともに増加傾向。梅酒の令和6年輸出額は141億円で過去最高に。ほか、気候変動対応・スマート農業・自家受粉品種の導入推進を強化している。
各地代表からは、梅産地の現状と振興策が報告された。和歌山県みなべ町の山本町長は、2年連続の不作に触れ、「紀州梅が途絶える」と危機感を示し、新品種導入や黒葉枯病対策、機能性研究への取り組みを紹介した。埼玉県越生町の新井康之町長は、農業体験や駅構内でのPR販売などを通じた梅文化発信を説明。
中田吉昭氏は梅干の販売状況を報告。1世帯当たり年間購入金額は、2015年比で約13%増加しており、物価上昇を加味しても一定の需要が維持されていると指摘。2024年の市場規模は前年比98%とやや減少したが、米不足の影響などによるもので、全体としては比較的安定した売上推移が続いていると述べた。