
同社は、国内外の伊藤園グループ全体のリーフ製造事業を担う中核会社。
5月15日、静岡第一工場(静岡県牧之原市)で清飲記者会の視察取材会に応じた伊藤園ティーファクトリーの国枝保社長は「(統合効果は)人にある。関東と関西という別々の場所で働いている社員の交流が増え、一緒に仕事をすることに喜びを感じてもらうことが一番。社員の行き来や情報交換を活発化させてスピード感を早めていく」と意欲をのぞかせる。
事業の柱は、ティーバッグ・パック茶製品の製造と麦茶製品の原料焙煎。
伊藤園ティーファクトリーの国枝保社長 長期ビジョン「世界のティーカンパニー」の実現に向け、海外での生産体制確立に向けた茶葉製品の製造に精通する人材の育成に注力していく。
静岡第一工場の製造ラインと倉庫は有機JAS認証を取得。有機栽培茶など各国の要請に合った茶葉を適切に保管・管理し、海外向けティーバッグ製品も製造している。
海外向けティーバッグは、高付加価値タイプのスクエア型ティーバッグとなる。三交代制24時間稼働で1日100万個の生産を可能としている。
「静岡第一工場から世界6カ国に輸出をしている。年間で約300万箱、ティーバッグ換算では年間3億個を輸出している。
伊藤園では、飲料・ティーバッグ・インスタントを含めた「お~いお茶」全体では46の国と地域で展開し、2041年4月に100ヵ国以上での販売を目標に掲げている。

人材育成については「国内が土台にはなるが、ゆくゆくは海外の人にも仕事を覚えてもらわないといけない。日本の社員には海外の社員に教える気持ちで仕事を覚えてもらうようにしていく。簡単な日常会話ができるように語学力も必要」との考えを明らかにする。
標準化・省人化も推進していく。
「“この人でないとこの仕事ができない”といった属人化しているところを、AIやデジタル技術を活用するなどして社歴の浅い社員でもできるように設備投資していく。また、労働力が不足していることから、省人化の設備投資も行う。静岡第一工場はほぼ自動化しているが、神戸第一工場では出来上がった製品を今も手積みをしており、今年度中に自動化する」と語る。
伊藤園ティーファクトリーは、静岡県2カ所、兵庫県2カ所、埼玉県1カ所の合計5カ所で製造を運営。
