
同校は総合学習の一環でジュースづくりを行っており、今回、世田谷区の教育委員会を通じてアサヒ飲料に出前授業を要請した。
アサヒ飲料がジュースづくりをテーマにした出前授業を行うのは初めて。社会貢献と新たなファンづくりがアサヒ飲料の目的と思われる。
出前授業は、実際の商品開発の流れに沿って行われた。
アサヒ飲料の社員が飲料の種類、ジュースを飲むターゲットやコンセプトの決め方を解説し、児童はオリジナルジュースの設定を考案。
その後、異なる香料を使ったオレンジジュースづくりと飲み比べを実施し意見交換した。授業の合間には、アサヒ飲料の社員が熱中症対策を啓発した。
左からアサヒ飲料の村中亮太さんと廣岡健太朗さん 香料や作り方の説明などを担当したマーケティング本部商品開発部商品開発第一グループ主任の廣岡健太朗さんは「総合学習は生徒の探求心や自発性を育成することが目的となっているため、単にジュースを作るだけではなく、自ら目標を決めたりする内容にした。日ごろは気にかけないと思われる飲料のコンセプトや表示などを学んだことで、ジュース以外のものにもアンテナを張るきっかけになれば嬉しい」と語る。
コンセプト設定などを解説したマーケティング本部マーケティング一部炭酸・果汁グループ主任の村中亮太さんは「生徒の皆さんが楽しみながら、積極的に学んでくれて良かった。帰ってからご家族に話していただいたり、当社のブランドに興味を持っていただいたりしてファンになってほしい」と期待を寄せる。

同社は2007年から、「カルピス」ブランドで乳酸菌について学べる出前授業を開始。現在は「三ツ矢」ブランドでも水や環境について学べる出前授業を行っており、この2つが基本フォーマットとなっている。
首都圏本部では、2023年から世田谷区・足立区の各1校を対象に、毎年、出前授業を実施している。
出前授業の副次的な効果として、社員のエンゲージメント向上が挙げられる。
首都圏本部営業二部マネジャーの三井茂史さんは「普段はなかなか見る機会がない、たくさんの子どもたちが乾杯して笑顔になる姿を見られるのも良いところの一つ」と述べる。