
この日、取材に応じた久保和義西神奈川事業部長は「イオン相模原SCは1993年8月にオープンして32年が経過。
イオン相模原の松木一朗店長は「Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・ Company(自社)の3C分析をしながら、何を売っていくのかを徹底的に調べて改装した。非常に高くご支持いただいている50~70代にそのまま来ていただきながら、10~30代のお客様を増やしていく」と力を込める。
「けやきスマイルガーデン」 集客アップへ、直営店と専門店の力を融合させてフロア構成を再構築。専門店は「LAKORE(ラコレ)」「3COINS+plus(スリーコインズプラス)」「Zoff(ゾフ)」といった子育て世代に人気のショップを新たに誘致するとともに、既存の専門店については「少しターゲットの年齢を下げたような演出や装飾、商品のMDへと少し変えていただいた」(松木店長)。
全フロアで広めの通路となっており、ベビーカーを押す子育て世代に配慮。イベントスペース「けやきスマイルガーデン」は吹き抜けで天井が高く、イベントがない日は子どもの遊び場として自由に利用できるようになっている。
「赤ちゃんのハイハイが存分にできるのがコンセプト。つかまり立ちの練習もできる。静かで、夏は涼しく、冬は暖かい。天候に関係なく思う存分にゆっくりしていただきたい」との思いを込めた。

食品売場の刷新ポイントは、冷凍食品や生鮮品にある。
冷凍食品は、横浜をのぞく神奈川県で最大級の品揃えを誇る。
340㎡の売場面積に平台の冷蔵ケースを2レーン敷き、約1100品目を品揃えしている。北海道から九州までの各地域で人気のご当地アイス・スイーツや有名チェーン店の外食グルメなどをラインアップしている。
売場面積は刷新前と大差はないものの、多段のリーチイン冷凍庫を増やして「棚段面積では1.3倍」という。

「魚離れを低減するために、販売員が毎日立って若い親御様に調理の方法をアドバイスしている。販売員にお客様がつくようにもなり、当店の対面鮮魚コーナーは全国で3番目の売上げ。近隣に競合店がある中で、お値段ではなくこういったサービスで差別化していく」と語る。
朝仕入れた鮮魚は、お造りにしているほか昼からはフライなどに加工。焼き魚の売上げは全国で4番目を誇る。
入口付近の花屋・青果売場から突き当り総菜売場までは伸びる約110メールの幅広い導線も特徴。「110メール歩いていただき、総菜売場で回っていただくのが改装の肝」と述べる。
その導線では、真ん中に置かれた平台ケースで売られるジャンボパックの精肉や味付けされた精肉の売上げが好調に推移している。

衣料フロアではSPAブランド「TVC(ティーヴィシー)」が好調に推移。
Z世代向け専門店「ダブルフォーカス」では「中高生の若いお客様が雑貨品などを目当てに訪れて計画の1.5倍で推移している。従業員さんも若く、非常に若い感性で売場を作っていただいている」との手応えを得る。
食品・HBC改装前の2022年の年間来店客数は約1000万人。今期(2月期)来店客数1200万人を目標に掲げる。