大手卸による海外戦略が本格化してきた。国分グループは米国で日本酒のEC販売を展開するスタートアップ企業に出資し、現地市場での日本酒文化の発展と普及を図る。
三菱食品は昨年秋に株式を取得した持ち分法適用会社の英国JFE社を通じて、欧州での日本食の食材輸出を強化する。

▼国内の人口減少が加速するなか、わが国の食品業界において成長が見込まれる海外市場へのアプローチは欠かせないテーマといえる。和食や日本の伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録され、日本食への注目が高まっていることも追い風となっている。

▼海外市場の開拓と並行して好調なインバウンド需要も見逃せない。25年1-6月の訪日観光客数は2150万人、上半期としては過去最速で2000万人を突破。引き続き国内消費を押し上げる要因となっている。

▼外国人観光客に人気の食材がコンビニのサンドイッチ。ふっくらとした食感とおいしさがSNSで話題となり、販売が伸びている。こうした光景を見ると、コンビニだけでなく、スーパーの惣菜にもチャンスがありそうだ。
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