
前期は数量ベースでは家庭用は微減となったが、食品メーカーからの付加価値原料への引き合いが増加したことで業務用は前年を上回った。一方、製造原価の上昇が収益を圧迫し、利益面は厳しかった。
強みである有機ごまの売上げは、家庭用・業務用とも根強い需要に支えられ、全体では6%増と堅調に推移した。同社では有機ごま、金ごま、セサミン高含有品種を使った「セサミンリッチ」など、原料に特徴を持つ付加価値商品の展開により、差別化を図っている。有機ごまは、白ごま、黒ごま、金ごまのそれぞれに、いりごまとすりごまをラインアップ。売れ筋を中心とした棚割り提案を展開するとともに、SDGsの観点も含め、有機ごまの価値を継続して訴求している。
今秋冬の新商品「いりすりごま白」は、いりごまを軽くつぶすことで香ばしさを引き出し、すりごまよりもプチプチとした食感が特徴。仕上げにかけるだけで料理がワンランクアップするよう、料理人のテクニックである“ひねりごま”を再現している。
新商品の「いりすりごま白」をかけたうどんとどんぶり。参河社長は「当社は今年で創業106年を迎える。
あわせて、セサミン高含有量原料を加工した「セサミンリッチ白すりごま」「同黒すりごま」のブランド力向上を目的に「セサミンリッチ」の商標を登録し、すり加減の見直しを図るとともに、パッケージデザインを刷新してリニューアルする。秋冬の棚展開に向けて、順次切替えを予定。また「こんがり金」シリーズの10%の増量企画を7月出荷分から実施している。
同社は今春、SDGsへの取り組みの一環として、関西大学が制定する「関西大学SDGsパートナー制度」に登録した。有機ごまの展開を通じて活動をさらに強化していく方針だ。