日本アクセスは7月に開いた展示会で“ロングサマー時代の提案”として、外食向けに展開。凍ったまま提供する細切り生ハムや大学芋などの「凍りグルメ」、かき氷と濃縮つゆでアレンジしたお茶漬けや麺などを紹介した。
居酒屋を意識した「凍りグルメ」は解凍する手間が省け、食材の冷たさを維持できる。かき氷の場合はそれ自体がトッピングの一つになるので、1品減らしコスト削減にもつながる。写真映えする見た目も特徴だ。担当者は「季節メニューではなく、6月から9月まで長期で展開できる主力メニューになる」と強調する。
商品統括・マーケティング管掌の淵之上明生執行役員は「従来、夏物と言えばお盆までだったが、最近は9月でも動く。鍋物の提案も業界の都合で早くしすぎないよう、気を付けなければならない」と指摘する。
国分西日本は同じく7月に開いた展示商談会で、「鍋VSホットプレート」をテーマにコーナーを設けた。昨年9、10月に鍋メニューの食卓出現頻度が減少したことなどを踏まえ、「鍋だけに頼らない訴求が必要」(道辻浩一マーケティング部長)との考えで、ホットプレートを使ったメニューを鍋とともに取り上げた。
味変のできる肉巻き串、見た目を意識したアレンジ餃子などを提案。
大阪市の大物は9月に開催する展示会で、メーカー対抗の食べ比べ企画を実施する。一昨年から始まった企画で、最初の年は鍋メニュー、昨年はシチューを取り上げた。今回スポットを当てたのは豆腐。トッピングメニューを食品メーカー12社が提案する予定だ。通年で常備される食材であることに加え、「値上げで節約志向が強まる中でも、手軽に使いやすい」(森本立哉常務)点も豆腐を選んだ理由である。
このように、卸各社が鍋物に頼らない提案を強化する背景には、高温が10月ごろまで続く最近の気候に加え、それに伴う野菜の不作・高騰というリスクもある。