
セブン&アイグループのPeace Deli(ピースデリ)として「千葉キッチン」は3拠点目になるが、惣菜・ミールキット等のセントラルキッチンと精肉加工を行うプロセスセンターの機能を併せ持つのは初めて。
鮮度重視の惣菜工場(Peace Deli千葉キッチン)イトーヨーカ堂の山本社長は「消費者の約4割は惣菜でスーパーを選ぶ。しかし当社の惣菜はこれまでインストア作業が主体で対応に限界があり、生活者の変化や新しいトレンドに応えられていなかった」とした上で、「専用工場は大きな強みになる。店内作業による付加価値の高い出来立て・作り立ての要素は残しつつ、工場から新商品を積極的に投入して差別化し、従来の課題を解決していきたい。また店舗作業の負担軽減により、売り場で試食販売やPOPなど価値を伝える取り組みを強化できる。今後の店舗改装(62店計画)ではゾーニングを見直し惣菜売り場を広げていく」との考えを示した。当面、惣菜の売上構成比を現行13%から15%に引き上げることを目指す。
「千葉キッチン」の立ち上げには、4つの専用工場を持つグループ企業・ヨークベニマルの知見を取り入れ、生産ラインやレイアウトを踏襲した。設備の特長は、鮮度にこだわり素材本来のおいしさを引き出していることだ。例えばメンチカツやミールキットは、2階で精肉を加工し、フレッシュなまま1階の加工場で調理する。
一方、商品開発はプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」のプロセスを活用。ピースデリは日本デリカフーズ協同組合に加盟する。

なお今後はコンビニのセブン-イレブン向けにミールキットを供給する予定のほか、イトーヨーカドーのネットスーパー専用商品の開発も計画。
〈「Peace Deli千葉キッチン」概要〉所在地=千葉市緑区誉田町2丁目28―100▽面積=土地約3万2千988㎡、延床約2万928㎡▽従業員数=299名(社員22名、特定技能244名)▽稼働開始=24年2月▽事業内容=惣菜製造、精肉の加工、ミールキットの製造等。