『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『キャバクラ』について語った。
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★今週のひと言「ホテルを渡り歩く俺が選ぶ、最強のビジネスホテルは!?」
ここ数年、東京を中心としたメディアや全国のイベントに呼んでもらえるようになった俺は、それでも地元・名古屋に居を構える。
そのため同じくここ数年、特にコロナ禍以降爆増したインバウンドにより、異常に価格高騰したホテルのお世話になることが多い。
多いときは週の半分以上も東京にいることがあるので、そうなってくると家族そろって上京しないまでも、ひとりで寝に帰るためぐらいの広さのマンションの部屋を借りたほうが金銭的には全然いいし便利なのもわかっている。けど、それ以上に俺は自分の性格や交友関係の危うさを自覚している。
さまざまな欲の渦巻く東京に、そんな便利な部屋を持つことによって誘発されるであろうトラブルが容易に想像できてしまう。
目先のホテル代をケチることで、もっと大きなものを失うのが怖いのだ。
そういうわけでいまだに仕事のたびにビジネスホテルを転々とする効率の悪い動きをしているのだが、そのせいもあって頻繁に東京に呼ばれるようになったここ10年であらゆるビジネスホテルの特徴を把握するに至ったのだ。
前置きが長くなったが今回は使いやすいビジネスホテルについて、だ。
高い金を出せば出しただけ便利でいいホテルに泊まれるのは当たり前なのだが、旅先でもなく仕事の出張でひとり寝るだけの部屋に5万も10万も払いたくない。
現実的な値段でいうと、東京の一般的なビジネスホテルのシングル部屋が1.5万~3万円ぐらいの幅だ。
それでもコロナ前からしたら倍ぐらいになったイメージだ。なので、これぐらいの価格帯のホテルでの優劣の話をしよう。
結論から言うと、アパホテルが強い。結局アパ。
とにかくどの駅前にもあるし、会員カードさえ作ってしまえばチェックインもどこよりスムーズだ。
俺の嫌いなホテルの条件として、チェックインに異常に時間のかかるホテルというのがある。
報告日誌でもつけてんのかってぐらいパソコンのキーボードをカチャカチャカチャカチャやっている。いつの時代の基幹システムを使ってんだとのぞき込みたくなる。
あとは外出のたびにフロントに鍵を預けるタイプ。
連れ込みや鍵の紛失を防ぐためなんだということはわかるが、あれは煩わしい。クラブイベント終わりで深夜に戻ってきて、無人のフロントでチンチン鳴らしてるときの気分ったらない。
VODの質も重要だ。1000円でカード買って見るやつね。その点においても、アパは強い。
宿泊費に最初から織り込み済みといえばそれまでなんだが、いちいちエレベーターの前までカードを買いに行ったり、利きの悪いリモコンで数字を打ち込む手間がないだけで随分はかどる(何が?)。
おかげで、ここ数年は劇場で見逃した映画もアパでだいたい補完できてしまう。
それにしてもVODの邦画はヤクザ映画ばかりだよな。
そんなにみんなヤクザ好きなの?ってゆーぐらいのラインナップだ。
いつまでたっても日本統一できないのか。
ちなみに大浴場や朝食バイキングはいらない。俺はね。
旅行じゃないんだから、風呂はシャワーでサッと。飯食う時間があったらチェックアウトギリギリまで眠る。
このコラムも大概がどこかのビジホで窓から差し込む朝日にせかされながら、したためているのだ。
撮影/田中智久