SNSの"フェチ天使"・くりえみと振り返る初めてのグラビアの記憶

2022年10月12日(水)18:00

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「出来上がった写真を見た時は『自分はイケてる！』って思いました」と語るくりえみ

『週刊プレイボーイ』に登場するタレント、女優、アイドルなど、各分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ、『初グラビア物語～My First Gravure Story～』

今回はSNSのフェチ天使と呼ばれる、コスプレイヤーでタレントのくりえみさんの前編。

2012年7月に配信された「sabra net」で初グラビアを披露、つぶらな瞳と愛くるしい笑顔で話題に。その後、『週刊プレイボーイ』2012年48号に登場。「困り顔のプリンセス」のキャッチがつけられたそのグラビアで、愛くるしい表情とフレッシュな水着姿とのギャップが大反響を呼びました。

「日テレジェニック2012」（2012年）、「ミスアクション」（2014年）でグランプリを受賞し、人気グラビアアイドルとなるも、2018年事務所を退所し、フリーに。自ら、「SNSのフェチ天使」と呼ぶ個性派アイドルへ転身し、周囲を驚かせます。

特に『週刊プレイボーイ』2020年11号では「ネコ目線」と題し、飼い猫の目線を意識したフェチなグラビアを披露。

セクシーでチャーミングな姿は高く支持されました。

今回はデビューのきっかけから、事務所を退所しフリーになるまでの経緯を聞きました。

『週刊プレイボーイ』2020年11号（撮影／小塚毅之）より

――「初グラビア」にまつわるお話をいろいろな方にお伺いしています。まずくりえみさんが芸能界入った経緯をお話しいただければ。

くりえみ　高1の時に渋谷でスカウトされたのがきっかけです。当時、芸能事務所に入りたくて、毎日制服姿で渋谷、原宿を歩き回っていたんです。

そうしたら、自分で言うのもなんですけど、あっという間に名刺が束になって（笑）。その中で、特に熱心に声をかけていただいた事務所に入りました。

――幼い頃から芸能人になりたかったんですか？

くりえみ　最初は女優を目指していたんです。小学校の頃、『1リットルの涙』を見て沢尻エリカさんに憧れて。自然とセリフを覚えるようになるうち、自分もやってみたいと思うようになりました。

高校に入ってからオーディションをたくさん受けたんですけど、なかなかいい結果が出ない。

だったら事務所に入ったほうが手っ取り早いかな、と方向転換したんです。

――それで事務所に！　で、入ってからは希望通り女優さんに？

くりえみ　いいえ。「君はバラエティ向きだね」と言われ、バラエティ番組に出るようになりました（笑）。自分でも「女優顔」ではないのはわかっていたし、抵抗はなかったです。同時に、「グラビアもやろう」って。その事務所は、新人はまずグラビアからスタートという売り出し方が多かったんです。

で、「はい、やります！」って。

――「水着」に抵抗は？

くりえみ　まったくなかったです。3歳から水泳を習っていたので、水着は着慣れていたし。あと、事務所にはグラビアで活躍されていたほしのあきさんがいて。私もほしのさんみたいになりたいって憧れがありましたから。

――ほしのさんに？

くりえみ　はい。

ほしのさんって男性に向けてだけでなく、自分自身のために綺麗な身体を仕上げるって意識が非常に高くて、それだけに美容や食、生活スタイルに対してストイックなんですよ。それを見てかっこいいなって。自分もほしのさんのように、自分を極めたいって思ったんです。

――くりえみさんの最初のグラビアは、2012年7月に配信された「sabra net」の『Pure Smile』でしたね。この時の撮影で印象に残っていることはあります？

くりえみ　初めてだったけど緊張もしなかったし、ひたすら楽しかった記憶しかないですね。淡い色の水着を着たり、可愛くメイクをしてもらったり。

すべてが嬉しすぎました。

しかも、出来上がった写真を見た時は「自分はイケてる！」って思ったし、グラビアって最高だなって。ただ、いま改めて見ると、クビレはまったくないし、子供というか「ザ・幼稚園児体型」だなと思いますけど（笑）。

――その直後には『週刊プレイボーイ』2012年48号でもグラビアを披露しています。タイトルは「あのコを限界まで困らせてみた」で、「〝困り顔〟のプリンセスがグラビア界に現れた」のキャッチがついています。

くりえみ　毛糸の水着や、チェック柄の水着などを着て、こちらも可愛らしいグラビアでしたね。あまり笑わず、ちょっと憂いのある表情を見せたりして。その「困り顔のプリンセス」ってャッチも秀逸で気に入りました。いまでも当時の写真は大事に保存してありますよ。

――いま見ると、その頃のくりえみさんはちょっとロリっぽい感じとか、ゆうこりん（小倉優子）に似ている気もしますね。

くりえみ　確かに。実際に、当時は「くりりん」って呼ばれていましたから（笑）。

――同年には「日テレジェニック2012」でグランプリに選ばれ、また「ミスアクション2014」でもグランプリに。グラビアアイドルとして活躍した後、アイドルグループの一員として活動します。

くりえみ　当時はアイドルブームで、いろんな事務所がアイドルグループを作る風潮があって、私もその中の一人に選ばれたんです。メンバーはみんないいコばかりだったんですけど、私はもともと団体行動が得意ではないですし、正直、自分に向いてないなって思っていました。

――そうだったんですね。

くりえみ　あとその頃から、自分でカメラを持って写真を撮ったりとか、いろいろなことをやるようになって。自分でアイデアを出してやりたいって気持ちがどんどん強くなってきました。

それでも、4年間ほどグループとして活動してきたんですけど、これ以上は続けられないなと思ったところで卒業させてもらいました。同時に事務所も退所させていただきました。

――それが2018年。事務所を離れることに不安はありませんでしたか？

くりえみ　もちろん最初は不安でした。でもむしろ、自分ひとりで一体どこまでやれるのか試したいとも思って。それに、もしそこで芸能界を辞めたりでもしたら、「ひとりではやっぱり無理だったんだな」とか思われるじゃないですか。それはどうしても嫌で。「絶対に成功してやるぞ！」と心を燃やしていましたね。

――くりえみさんっておとなしそうに見えて、じつは熱いタイプなんですね......。

くりえみ　私、見た目と中身のギャップがすごく大きいと思います。じつは全然、「困り顔」のタイプじゃないです（笑）。そこからフリーで活動するようになりました。で、何をやろうか考えていたら、知り合いに「アニメっぽい顔をしてるから、コスプレとかいいんじゃない」と言われて。

調べてみたら、コスプレって中国、台湾とかアジア圏で人気があることがわかって、コミケというイベントがあることも知りました。それで「これはうまくいくんじゃないか！」と思ったんです。

――コスプレはどんなキャラクターを？

くりえみ　基本的にはオリジナルがほとんどで、それこそナースとかポリスとか。もちろん、好きなアニメとかキャラはいるんですけど、技術がないから細部まで再現できなくて（苦笑）。その点、オリジナルなら正解も不正解もないからやりやすいじゃないですか。それを撮影してSNSでアップしたり。

あと、実際にコミケに参加して自分をカメコさんに撮ってもらったって、みんながあげてくれるのをすべてリツイートしたり。そうした作業を毎日繰り返していました。

――カメコの全画像にリツイートするってすごいですね。

くりえみ　調べてみたら、コスプレイヤーさんってこだわりがあるから、バチバチにキマっている写真にしかリツイートをしないんですよ。でも、私にこだわりがないし、何よりフォロワーの数を増やしたかったので、写りが悪くても全部リツイートしたんです。コミケの開催期間は、それで1日2～3千人フォロワーが増えましたよ。

――すごい！　コミケでは同人誌も作って売ったとか。自分で出演から撮影、編集まですべてをやるのは大変ではなかったですか？

くりえみ　まったく苦にならなかったです。むしろ全部を自分でやれる喜びを感じていました。それまではやりたくてもやらせてもらえませんでしたから。あと、内容も他の誰にも気兼ねせずにやりたいようにやれるわけだし。自分は無敵だと思いながらやっていましたね。

★後編⇒SNSの"フェチ天使"・くりえみが考えるグラビア撮影でゆずれない「ルール」とは？