50代になり、「夜のトイレで目が覚めるようになった」「朝起きたときに疲れが取れていない」「朝かなり早い時間に目が覚めてしまう」という人は、睡眠不調の可能性が高い。
50代の睡眠不調の大きな原因が、老化やマンネリ化した日常のため。
さまざまな事情により、50代は睡眠に関して特に悪いことをしていなくても、ほとんどの人が睡眠不調になってしまうのだ。では、どうすれば睡眠不調を改善できるのか。
◾️「夜中にトイレで眼が覚める」を改善する3の方法『働く50代の快眠法則』(角谷リョウ著、フォレスト出版刊)では、大手企業をはじめ、計120 社、累計6万5000人の睡眠改善をサポートしてきた上級睡眠健康指導士の角谷リョウ氏が、50代の睡眠不調者のおよそ80%が「睡眠で休養が十分に取れている」という睡眠健常者に回復したというノウハウを紹介する。
日本排尿機能学会の研究によると、50代になると、6割の人が夜に1回以上、2割の人が2回以上トイレに行くという。夜のトイレは、慢性的な睡眠不足、5年後生存率が約2倍違うという研究結果、転倒のリスクの増大など、さまざまなリスクがある。
では、なぜ50代になると、夜のトイレが増えるのか。一般的に3つの原因があると言われている。排尿を我慢するホルモンが減ること。下半身に水分が溜まりやすく、寝ると中央に戻ってくるようになる。
この夜のトイレ回数を減らす対策は3つある。
1.寝る前の水分調整
寝る1時間前までに水分補給は済ませておいて、寝る前はうがい程度にすること。また、トイレに行きたくなる作用のあるカフェインとアルコールは控えるようにする。
2.トイレ促進運動
下半身に水を溜めない、溜めにくくするための運動として足を高く上げて足を揺らす「足上げ」を実践する。
3.体を温める
体を温めるための対策としておすすめなのが「腹巻き」だ。
質の良い睡眠のためには、「質の良い睡眠環境」と「質の良い睡眠になるための行動」の両方が必要だが、まずは簡単にできる睡眠環境を変えるのが良い。たとえば、50代が睡眠環境を変えて一番効果を感じやすいのが「光環境の改善」だ。日本の家の中の照明基準(最低500ルクス)は、光が強すぎて睡眠に悪影響を与える。寝る1時間前に500ルクスの照明を浴びていると、睡眠ホルモンのメラトニンが40%近く低減してしまうという報告もある。また、暖色系の照明に比べて白色系の蛍光灯はメラトニン分泌が低下することがわかっている。
なので、まずお手軽にできることは、天井照明を寝る1時間前に少し明るさを落とすこと。目安としては「少し暗いかな」と感じるくらいが良い。少し手間がかかるが、寝室の蛍光灯を白色系から暖色系に変えるのもおすすめだ。
50代になり、睡眠が十分にとれていないと感じている人は、睡眠の質を改善するノウハウを実践してみてはどうだろう。快眠を得ることで、仕事もプライベートも充実した日々を過ごせるようになるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)