甲府は今季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に参戦している関係で、他の試合よりも一足早く第41節を消化する。
今節ホームに迎えるのはロアッソ熊本。今季の熊本は天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会でベスト4入りを成し遂げながらも、リーグ戦では残留争いに巻き込まれるシーズンを過ごした。前節の清水エスパルス戦を3-1で制したことで既に残留は決まっており、残る2試合は少しでも上の順位でシーズンを終えるための戦いとなる。
試合は立ち上がりから、この試合が今季ホーム最終戦の甲府が決定機の数を増やす。
対する熊本は11分、敵陣でのボール奪取から飛び出していった大西遼太郎がペナルティエリア右から右足で狙うも、シュートは枠を外れた。勢いに乗って試合に入った甲府は、直後にコーナーキックのこぼれ球を拾った松田陸がミドルシュートを狙ったが、左足で放ったシュートはディフレクションして右ポストに直撃した。
時間の経過とともに熊本が数多くのチャンスを作り、島村拓弥や松岡瑠夢がゴールに迫ったものの、均衡を破るには至らない。
後半に入ると試合が動く。58分、ピッチ中央付近でのボール奪取から長谷川元希、三平、鳥海芳樹と繋ぎ、最後はクリスティアーノにボールが渡る。ここはフィニッシュまで至らなかったものの、こぼれ球に反応した松田陸がミドルシュート。右足から放たれた低弾道の一撃はGK田代琉我に弾かれたが、こぼれ球を鳥海が押し込んだ。後半頭からピッチに立った鳥海が2試合連続となる先制ゴールを決め、甲府が先手を取った。
75分には再び途中出場した甲府の選手が躍動する。相手のパスをカットした井上詩音がダイレクトで縦に付けると、待っていたピーター・ウタカが前を向いてドリブルをスタート。自ら持ち運んでペナルティエリア右に侵入すると、切り返しで黒木晃平をかわし、左足でフィニッシュまで持ち込む。シュートはGK田代に阻まれたが、こぼれ球を右足で押し込んだ。71分から送り出されていたウタカが、7月9日に開催された第25節藤枝MYFC戦以来16試合ぶりのゴールを記録し、甲府がリードを広げた。
試合はこのままタイムアップ。
次節は今季の明治安田生命J2リーグの最終節だ。甲府は敵地でモンテディオ山形との昇格プレーオフ出場権を懸けた直接対決に臨み、熊本は今節の結果次第では残留争い真っ只中となるレノファ山口FCをホームに迎える。試合は12日の13:00より全会場同時キックオフ予定だ。
【スコア】
ヴァンフォーレ甲府 2-0 ロアッソ熊本
【得点者】
1-0 58分 鳥海芳樹(ヴァンフォーレ甲府)
2-0 75分 ピーター・ウタカ(ヴァンフォーレ甲府)