日本代表を率いる森保一監督は30日、約1カ月にわたるヨーロッパ視察から帰国。空港で取材に応じた。


 6月にFIFAワールドカップ26アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選第5節、第6節の2連戦を控える日本代表は、6日にミャンマーとアウェー、11日にシリアとホーム(広島)で対戦する。すでに4連勝(1試合は没収試合で日本の勝利扱い)で2次予選突破を決めているため、この2連戦はチャレンジできる場にもなる。加えて、U-23日本代表がパリオリンピック2024本大会の出場権を獲得したため、本大会前の大切な強化試合ができるU-23日本代表との選手選考の兼ね合いも生じる。

 森保監督はAFC U23アジアカップカタール2024も視察したが、大岩剛監督と大会中は話していないとしつつ、「山本昌邦ナショナルチームダイレクター通じていろいろな話をしていますし、日本のサッカー、日本代表、サッカーファミリーとして、オリンピックでメダルを取るためにいい連携、サポートができれば」、「日本が勝つことが我々にとっても一番うれしいことですし、オリンピックで結果を出せるように、最大限協力、サポートしていきたい」と、U-23日本代表の強化を優先する意向を示した。

 日本代表ではU-23日本代表世代である久保建英や鈴木彩艶がすでにA代表で活躍中。また、24歳以上のオーバーエイジもオリンピック本大会で招集可能となる。
オリンピック本大会は選手招集について所属クラブの派遣義務がないため、実際にどこまで招集できるかは不透明だが、東京オリンピック時はオーバーエイジ含めて本大会を見据えて、A代表と活動期間が重なる6月の代表ウイークを優先して活用した過去がある。

日本サッカー協会として今後こういう形になっていくと思う」と話した森保監督は、「課題を話していき、今後監督が変わったりする中でも、招集の優先順位であったり、評価の優先順位を決めていくことはあっていいと思っています。1回1回、話し合いながらではなく、土台となるルールがあれば、スムーズにいろいろと決めることができる」と、今後の日本サッカーのためにもA代表とオリンピック代表の招集ルールを定めていくべきという考えを明かしている。

 予選突破が決まっており、A代表としてはチャレンジが可能なタイミングかつ、オリンピック代表優先となるのであれば、6月のA代表のメンバー構成も気になるところ。新戦力の発掘や成長を期待したい選手を呼ぶことも考えられるが、「可能な限り選手や戦術を、今後に向けて試していきたい」としつつ、「試しすぎて、(最終予選が始まる)9月に良いパワーを持てないことも考えられるので、そこはこれまで招集してきた選手たちを中心に積み上げを考えながら、新たなチャレンジができる部分はチャレンジしたい」と、あくまでも継続がベースにあると話した。