カタルーニャの覇権を手中に収めたことを印象付ける、バルセロナへのシーズンダブルを以て、欧州最高峰の扉を開いた。クラブ創設からの94年の歴史の中で、4度目のラ・リーガとなった今シーズンは、第7節で首位に立った後も勢いは衰えることなく、1年を通して最大のサプライズであり続けた。そして、就任3年目のミチェル監督が率いるジローナは4試合を残して、初のチャンピオンズリーグ(CL)出場を確定させたのだ。
この大躍進を語る上で欠かせないのが、シティ・フットボール・グループ(CFG)という存在だろう。2017年にCFG傘下に加わったジローナは、マンチェスター・シティを彷彿とさせるスタイルや有望な若手選手の発掘・獲得など、同グループの利点を活かしてメキメキと台頭。スペインのラジオ局『カデナ・セル』の番組に出演したミチェル監督は「ジローナは3年前までセグンダにいた…。
4日のラ・リーガ第34節バルセロナ戦は、まさにジローナを象徴するようなゲームに。同試合では1-2ビハインドから3ゴールを決めたわけだが、とにかく今シーズンは逆転勝利や撃ち合いが多く、実際に3点以上を挙げた試合は『13』にまで上り、2~3試合に1回のペースである。
自身にとっても初のCLとなることから、「アンフィールドの雰囲気を体感してみたい」と高揚感を口にしていたミチェル監督。だが、来シーズンを迎える前にやってくるのが、夏の移籍市場だ。10位で終えた昨シーズン終了後は主力選手を数名引き抜かれたが、比べ物にならないほどの注目を集めた今シーズンは大幅な入れ替えが起こり得る可能性も。特にDFミケル・グティエレス、FWサヴィオ・モレイラ、FWアルテム・ドフビクらは引く手数多だろう。同指揮官は「それはとても心配なこと。3年間積み上げきたものが、新しいメンバーでスタートするとなれば、当然リスクがある」と吐露。
今シーズンのラ・リーガに旋風を起こしたジローナ。果たして、欧州へと進出する来シーズンは、どこまで躍進を遂げるのだろうか。