越道草太が吠えた。2点を追いかける23分、ペナルティエリア前で右CKのこぼれ球に反応。「最初はワンタッチで打とうと思ったけど、一回トラップして力を抜いて腰を捻りました。いつもは力が入るけど、声援のおかげで落ち着いて打てました」。右足シュートをゴール左隅に突き刺し、苦しい雰囲気を切り裂く反撃の一撃。2年目の20歳MFが喜びを爆発させた。
広島はミヒャエル・スキッベ監督が「最初の15分は本当にまずかった」と話したように、立ち上がりに不安定な守備から2失点。そこから越道のゴールで1点を返し、48分にDF中野就斗の同点ゴールで2点差を追いつく意地を見せたが、最後は相手のカウンターからオウンゴールを許して敗れた。越道は、「自分たちのサッカーができてチャンスも多かったけど、そこでしっかり決め切らないと、こういう結果になってしまう。自分を含めて決定力不足は課題なので、そこは意識しないといけない」と振り返った。
前節に続いて左ウイングバックで先発出場した越道は、元広島の名古屋DF野上結貴とマッチアップ。
67分には左足の痛みを訴えてピッチに倒れ込み、担架で運ばれて無念の途中交代となった。スキッベ監督は「それほどひどくないと思う。前半にひざを打撲してしまい、プレーしているうちに固まってしまった状態だった」と説明。本人は試合後、左ひざにテーピングをして自ら歩いており、「まだわからないけど、大丈夫だと思う」と明かした。
広島は今季リーグ戦12試合目で初黒星を喫し、5試合勝利から遠ざかる結果となった。
移動と試合が続いた過密日程が終わり、次節は中8日の15日に行われる鹿島アントラーズとのホームゲーム。リフレッシュして挽回へ。越道は「初ゴールはうれしいし、自信がついたので次節もゴールを狙っていきたい。試合に勝てていないので、次は勝つゴールを決めたい」と意気込んだ。
取材・文=湊昂大
【動画】試合ハイライト