サンフレッチェ広島は6日、明治安田J1リーグ第12節で名古屋グランパスをホームに迎え、2-3で敗戦。今季初黒星を喫した。


 越道草太が吠えた。2点を追いかける23分、ペナルティエリア前で右CKのこぼれ球に反応。「最初はワンタッチで打とうと思ったけど、一回トラップして力を抜いて腰を捻りました。いつもは力が入るけど、声援のおかげで落ち着いて打てました」。右足シュートをゴール左隅に突き刺し、苦しい雰囲気を切り裂く反撃の一撃。2年目の20歳MFが喜びを爆発させた。
「あんまり覚えていないけど、鳥肌が立って、気づいたら吠えていました」と笑みをこぼし、記念すべきプロ初ゴールとなり「率直にうれしかった」と喜んだ。

 広島はミヒャエル・スキッベ監督が「最初の15分は本当にまずかった」と話したように、立ち上がりに不安定な守備から2失点。そこから越道のゴールで1点を返し、48分にDF中野就斗の同点ゴールで2点差を追いつく意地を見せたが、最後は相手のカウンターからオウンゴールを許して敗れた。越道は、「自分たちのサッカーができてチャンスも多かったけど、そこでしっかり決め切らないと、こういう結果になってしまう。自分を含めて決定力不足は課題なので、そこは意識しないといけない」と振り返った。

 前節に続いて左ウイングバックで先発出場した越道は、元広島の名古屋DF野上結貴とマッチアップ。
「ガミさんが自分のところに来ていてやりづらかった」と明かし、「個人的には仕掛けてクロスが入れられなかったので、自分の長所である縦突破を活かして仕掛けてクロスでアシストをしないといけない」と自身の課題を挙げた。

 67分には左足の痛みを訴えてピッチに倒れ込み、担架で運ばれて無念の途中交代となった。スキッベ監督は「それほどひどくないと思う。前半にひざを打撲してしまい、プレーしているうちに固まってしまった状態だった」と説明。本人は試合後、左ひざにテーピングをして自ら歩いており、「まだわからないけど、大丈夫だと思う」と明かした。

 広島は今季リーグ戦12試合目で初黒星を喫し、5試合勝利から遠ざかる結果となった。
新スタジアムでの公式戦で初黒星となり、昨季からのリーグ戦連続無敗記録も17試合でストップした。

 移動と試合が続いた過密日程が終わり、次節は中8日の15日に行われる鹿島アントラーズとのホームゲーム。リフレッシュして挽回へ。越道は「初ゴールはうれしいし、自信がついたので次節もゴールを狙っていきたい。試合に勝てていないので、次は勝つゴールを決めたい」と意気込んだ。

取材・文=湊昂大

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