横浜FCはキックオフ直後に鈴木武蔵が負傷し、ジョアン・パウロとの交代を余儀なくされる。開始10分まではほぼワンサイドゲームで押し込まれていた中、前からの果敢な守備で徐々に盛り返し、得意のセットプレーで相手ゴールを再三脅かした。最後までゴールネットを揺らすことはできなかったが、四方田修平監督は「苦しい時間帯も粘り強く、最後まで攻守に全力を尽くした」と選手たちの奮闘ぶりを高く評価した。
勝ち点1を分け合った形だが、試合後のゴール裏の反応は対照的だった。横浜FMはリーグ戦開幕から3試合勝利なしとなり、大きなブーイングがスタジアムに鳴り響いた。一方の横浜FCは大きな拍手で選手たちを称え、メインスタンドで観戦していたサポーターも含め一体となった「フリエ」コールが送られた。キャプテンを務める駒井善成は「サポーターは『勝ち点3を取ってほしい』『ダービーは負けたくない』というプライドを持って、その思いを乗せて応援してくれていたと思います。勝ち点1という結果に対しては残念がっていると思っていますけど、その気持ちを受け止めて次につなげていきたい」と話す。「ダービーということを考えると勝ち点1は残念な結果ですが、長いリーグ戦で考えた時にこの勝ち点1は大きい。後半からはヤン・マテウス選手、エウベル選手、植中(朝日)選手とパワーがある選手たちが入ってきた中でも跳ね返して、しぶとく戦えたことは評価できる勝ち点1だと思います」とドローを前向きに捉えた。
過去の横浜ダービーを振り返ると、敵地では二度の0-5(23年 第7節/21年 第11節)や8失点を喫しての大敗(07年 第19節)もあった。
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