FWヴァレール・ジェルマンが広島デビューを飾った。34歳のフランス出身FWはセーラーズ戦で移籍後初のメンバー入りを果たし、68分に途中出場。「自分のキャリアの中で紫のユニフォームを着るのは初めてのこと。早くこの紫のユニフォームを着てホームの試合に出たいなとうずうずしていた」と待望のデビューを飾った。
ジェルマンがピッチに入る直前、同じタイミングで出場したMF新井直人から声がかかり、とある約束をしていたという。
「一緒に入ったナオトからは、『絶対いいクロスを上げるから得点してね』と言われていた。すごくいいクロスを上げる選手がそろっているチームなので、アタッカーの選手としてはいつでもいいボールが来ることを信じて準備しなきゃいけない」
その言葉はすぐに現実のものとなった。3点リードの74分、新井がいる右サイドにボールが入ると、ジェルマンもゴール前に進入。優雅な動きで相手DFを外し、新井からのピンポイントクロスに頭で合わせてゴールネットを揺らした。
ジェルマンは、「このスタジアムでのファーストゲームで、素晴らしい雰囲気の中でゴール決められてうれしかった」と喜び、「右からも左からも素晴らしいクロスが上がってくるチームなので、前の選手としてはディフェンダーをしっかり外してボールを待つことが仕事。今日の感覚だと、これからもたくさんクロスを上げてくれると思うので、得点もかなり期待できると思う」と確かな手応えを口にした。
初得点後には新井と一緒に両手で「30」を作り、長期離脱となった背番号30のMFトルガイ・アルスランに向けてゴールパフォーマンスを披露。
「彼がいなくなるのはかなり厳しい状況になると思うけど、彼のために自分たちができることは勝ち続けることだと思う。彼が戻ってきた時に、この素晴らしいチームメイトたちとまた一緒にいい状態でプレーできるために、自分に何ができるかを考えながらやりたいし、彼ができるだけ早く戻ってこられるようにサポートしたい」
新天地のホームであるエディオンピースウイング広島(広島サッカースタジアム)で移籍後初出場初得点。ホームサポーターを前に挨拶がわりの活躍を見せて最高のスタートを切った。
ジェルマンは、「サポーターのみなさんが後押ししてくれる雰囲気が本当に素晴らしかった。こうやって後押ししてくれることで選手たちは100パーセント、120パーセントの力を出せると思っているので、いいシーズンにできると思っている」と広島での未来に期待を膨らませた。
取材・文=湊昂大
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