マンチェスター・シティ女子に所属する日本女子代表(なでしこジャパン)GK山下杏也加がオンライン取材に応じた。

 ニルス・ニールセン新監督のもとで臨んだSheBelieves Cupでは3戦全勝で初優勝。
オーストラリア女子代表戦、コロンビア女子代表戦はいずれも大量4得点で2連勝を飾り、最大のライバルであるFIFAランキング1位・アメリカ女子代表との最終決戦にも2-1で勝利。アメリカ撃破は2012年3月以来およそ13年ぶりとなった。山下はオーストラリア戦、アメリカ戦の2試合に先発出場し、優勝に貢献。「短い期間だったので細かい戦術というより、ミーティングでは『一人ひとりが自信を持って戦っていく』という話だった」と山下が明かしたように、新指揮官のポジティブな声がけにより、新生なでしこは「自信」を持って果敢にプレー。見事、初栄冠を勝ち取った。

 ニールセン監督はなでしこジャパンの指揮官就任前までマンチェスター・シティ女子のテクニカルダイレクターを務めており、昨夏の山下獲得に尽力した張本人である。今大会の活動期間中にも「彼がシティに呼んでくれたので『今、シティでどうだ?』という会話はした」という。現在マンチェスター・シティWFCには山下に加え、清水梨紗、長谷川唯、藤野あおば、大山愛笑と5人の日本人選手が在籍中。ポジションは違うが、共通する日本人女子選手のストロングポイントとして「賢さ」があると山下は分析する。

「ゴールキックからどうやって相手ゴールまで持っていくのかという練習をするのですが、みんな結構そのルールに沿ってやるので、シチュエーションによってはちょっと気が利かない場合がある。ただ、日本人選手はどんなボールが来ても引き出しだったり、それぞれのアイディアがあり、足元の技術も高いと思います。ニールセン監督はミーティングで『あなたたちは強い』『パワーがある』と言っていたので、外国人が見る日本人がそう見えるのであれば、そうなのかなと。
日本人はそこに気づいていないというか、どこが劣っているのかを考えると思います。監督は『十分戦える』と言っていたので、『そうなんだな』とは思いました」

 山下が所属するマンチェスター・シティ女子は、今週末にリーグカップ決勝、翌週にはUEFA女子チャンピオンズリーグ準々決勝、そしてリーグ戦と重要な試合が続いていく。そして、その対戦相手全てが現在リーグ戦で首位に立つチェルシーである。同じ相手との4連戦、加えてタイトルがかかった重要なカップ戦を目前に控えている中、山下は「チェルシーは今季まだ無敗(14勝2分け無敗)なので、その負けを自分たちが付けたいですし、目の前でカップを掲げたい。(15日のリーグカップ決勝は)シーズン最初のタイトルなので、そこで勝てるかどうかでまた次が変わってくると思います」と見据える。チェルシーにはなでしこジャパンでチームメイトの浜野まいかが在籍しており、日本人選手同士の対戦にも注目が集まる。「まいかも調子良さそうなので……。まいかにだけは決められないように頑張ります!」とゴールを死守することを誓った。
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