アル・ナスルへの加入が決まったスペイン人DFイニゴ・マルティネスが、移籍決断の理由を明かした。13日、スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』が同国紙『オンダ・バスカ』のインタビュー内容を引用して伝えている。


 現在34歳のI・マルティネスはレアル・ソシエダの下部組織出身で、2011年8月にトップチームデビューを果たした。2018年1月にはアスレティック・ビルバオに加入し、すぐさま出場機会を確保。スペイン代表にも継続的に選出され続け、2023年7月にバルセロナへと加わった。昨夏には売却候補と噂されていたものの、新たに指揮官へ就任したハンジ・フリック監督の下では守備陣の主軸として活躍。昨季は公式戦46試合出場3ゴール5アシストを記録した。

 今年3月にバルセロナとの契約を2026年6月30日まで延長していたI・マルティネス。しかし、『ムンド・デポルティーボ』によれば、昨季の段階で同選手はサウジアラビアから好条件のオファーを受けており、将来的に再オファーが届いた場合は移籍を容認する“紳士協定”を交わしていたという。それに伴い、今夏の移籍市場ではアル・ナスルへのフリー移籍が実現することになった。

 インタビューに応じたI・マルティネスは、「ツアー中はそれだけで十分大変だったから、ツアーの帰りにフリック監督と話をした。自分の状況を理解してもらえるよう正直に伝えようと思ったんだ」とコメント。「契約は残り1年で、34歳という年齢を考えると、こういうオファーを断るのは難しい。監督は驚いていたが、すぐに理解してくれた。
2分もしないうちに彼はとても残念がっていた。お互いに強い信頼があったんだ」と元指揮官とのやりとりを明かしている。

 一方、「もし契約がもっと残っていたら、移籍は考え直していたかもしれない」と説明。「バルサでも決して低い給料ではなかったし、家族も満足していた」と述べつつ、「妻や娘たちを巻き込むことになるので、決して簡単な決断ではなかった。それでも契約年数が長ければもっと慎重に考えていたと思う」と見解を語った。

 また、「オファーを見たときは信じられなかった。こんな契約を目にする心構えなんて誰にもできない。少なくとも自分にはなかった」語りつつ、「僕はフットボール界の単なる選手であり、努力と汗で少しずつステップアップしてきたが、この契約は本当に不意打ちだった」と高額オファーへの衝撃を告白。続けて、「経済面でこのリーグは他と比べものにならない。自分のキャリア、バルサでやってきたことを考えれば、踏み出すべきだと思った。選手キャリアは短く、このチャンスが来たときに断るのは難しい」と決断の理由を口にしている。
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