柔道整復師のshuheiと申します。現在は表参道で整骨院を経営するかたわら、これまでトップアスリートやアーティストら5万人以上の施術を担当してきた経験をもとに、腰痛や肩こり、姿勢改善など多くの方にとって身近な健康に関する情報をSNSで発信しています。

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夏のダルさは「甘え」でも「怠け」でもない

実はやってはいけない「夏バテを悪化させるNG行動」…プロがすすめる“夏のダルさ”解消法
夏バテ
「しっかり寝たはずなのに、朝から体が鉛のように重い」

「首や肩がパンパンに張って、頭痛がする」

「気分がどんよりして、仕事へのモチベーションが上がらない」

 夏本番に入り、こんな不調を抱えていませんか?

 実はこの時期、私の院にも「なんとなく体調が悪い」「マッサージに行ってもすぐ元に戻ってしまう」と駆け込んでくる患者様が急増します。

「猛暑のせいで気合いが足りないのかな」「冷房の効いた部屋でだらけているからかも」と自分を責めてしまう方も多いのですが、まず最初にお伝えさせてください。

 あなたのその「ダルさ」、決して甘えでも怠けでもありません。

 夏の不調には、明確な「気象的・身体的な理由」が存在します。今回は、日々多くの患者様の体を診ている整骨院の現場から、東洋医学と解剖学の視点を交えて、この時期特有だるさの正体と、今日からすぐできる劇的なリセット術をお伝えします。この記事を読み終える頃には、心も体もフッと軽くなるはずです。

なぜ夏場はこれほどまでに体が重いのか?

 この時期の不調を引き起こす犯人は、大きく分けて2つあります。それが「激しい寒暖差」と「内臓の冷え」です。

1. 体温調節機能がパンク?「寒暖差」と自律神経

 猛暑の外気(35℃以上)と、キンキンに冷えた室内(24℃前後)。この10℃以上の寒暖差を何度も往復することで、体温を調整している「自律神経」は大混乱に陥ります。

 するとどうなるか。血管の収縮と拡張が激しく繰り返され、自律神経のバランスが急激に崩れてしまうのです。常に緊張状態が続いて交感神経が過剰に働き、血管が収縮して血流が悪化。

 これが首肩コリや緊張性頭痛、そして「休んでも疲れが取れない」という夏特有の「冷房病(クーラー病)」を引き起こす最大の原因です。


2. お腹の中に氷を入れている?東洋医学でみる「内湿(ないしつ)と脾胃の弱り」

 もう一つの原因が「冷たいものの摂り過ぎによる内臓の冷え」です。東洋医学(中医学)では、暑さによる喉の渇きから冷たい飲料や素麺などを過剰に摂ることで体内に溜まる冷えと余分な水分を「内湿(ないしつ)」と呼びます。

 冷たいものを摂りすぎると、消化器官である「脾胃(ひい)」が直接冷やされて働きが著しく低下します。すると、体内の余分な水分や老廃物を外に排出できなくなり、体の中に溜め込まれてしまいます。

 水分を含んで重くなったスポンジを想像してみてください。ズッシリと重く、身動きが取りづらいですよね。夏場のあなたの体は、冷房で外側から冷やされ、冷たい飲み物で内側からも冷やされた「重く冷えたスポンジ」状態なのです。足がむくむ、食欲がない、胃腸の調子が悪い、体がダルいといった症状は、この「内臓の冷えと滞り」から来ています。

プロ直伝の「冷房バテ」リセット3つの習慣

実はやってはいけない「夏バテを悪化させるNG行動」…プロがすすめる“夏のダルさ”解消法
夏バテ
 原因が「自律神経の乱れ(寒暖差)」と「内臓の冷え・水分滞留」にあると分かれば、対策は非常にシンプルです。今日からすぐに実践できる、3つの具体的なケアをご紹介します。

①1回1分で自律神経を整える「くるくる耳マッサージ」

 寒暖差によって過剰に働いた自律神経をリセットするには、頭部への血流を促し、自律神経が集まる耳の周りをほぐすのが非常に効果的です。デスクワークの合間や、朝起きた時にエアコンの風に当たる前に行うのがおすすめです。

耳を引っ張る:両耳を親指と人差し指で軽くつまみ、「上」「下」「横」にそれぞれ5秒ずつ、イタ気持ちいい程度の力で引っ張ります

耳を回す:耳の横をつまんだまま、後ろに向かって大きく円を描くように5回くるくると回します

耳を折りたたむ:耳の上下をつまんで、パタンと半分に折りたたむようにして5秒キープします

耳の周りをほぐす: 手のひらで耳全体を覆い、後ろに向かって円を描くように優しく5回マッサージします


 たったこれだけで、耳の周りがポカポカしてくるのを感じるはずです。
頭部への血流が改善し、自律神経の切り替えがスムーズになりますよ。

②「第二の心臓」を動かして冷房で冷えた下半身の巡りを整える

 冷房の効いた部屋に長時間をいると、重力の関係で冷えと余分な水分が下半身に溜まります。ふくらはぎの筋肉をポンプのように動かし、下半身の血液や水分を心臓へ送り返してあげることが不可欠です。

 座ったままできる足首ポンプ運動:デスクワーク中、椅子に浅く腰掛けます。かかとを床につけたまま、つま先を限界まで上に反らします(3秒キープ)。次に、つま先を床につけ、かかとをグッと限界まで持ち上げます(3秒キープ)。これを10往復繰り返すだけで、ふくらはぎの筋肉が収縮し、強烈なポンプ作用で冷えとむくみがスッキリします。

 東洋医学のツボ「陰陵泉(いんりょうせん)」を押す:膝の内側の骨を下から上へなぞっていき、指がピタッと止まるくぼみにあるのが「陰陵泉」です。ここは冷えで滞った水分の排出を促す「水はけのツボ」。親指で、痛気持ちいい強さで5秒間×3回ほど押してみてください。冷房で弱った胃腸の働きを助け、足のダルさを解消してくれます。

③「常にキンキン」をやめ、お腹(胃腸)を温める

 8月は猛暑のあまり、つい氷たっぷりの清涼飲料水やアイスをガブ飲みしたくなりますよね。
しかし、これは夏バテを悪化させる最大のNG行動です。

 先述の通り、胃腸(脾胃)は「冷え」にとても弱いです。冷たいものを摂り続けると自律神経の崩れに拍車がかかり、夏バテの悪循環に陥ります。

 室内では意識して「常温」の飲み物を選ぶか、冷たいものを飲む際も一気に飲まず少しずつ口に含んで温めてから飲みましょう。特におすすめなのが、夕食や休憩時に「生姜(ジンジャー)」や「シナモン」を取り入れること。これらは冷えた胃腸を内側から温め、発汗作用を高めて体内の不要な水分を外へ逃がしてくれます。

冷房で冷え切った体には湯船に浸かるのが一番の回復薬

 ストレッチもツボ押しも「何となくめんどくさいなー」というあなたのためにお風呂に入れるだけの簡単な方法も軽くお伝えしておきます。それがエプソムソルト!

 夏場はシャワーだけで済ませがちですが、冷房で冷え切った体には湯船に浸かるのが一番の回復薬です。エプソムソルトは「硫酸マグネシウム」の結晶で、お風呂に入れることで高い温浴・発汗効果による疲労回復、筋肉の緊張緩和、美肌・保湿効果が期待できます。マグネシウムが皮膚から吸収され、体の巡りをサポートします。

 主な効果と特徴は以下の通りです。

疲労回復と筋肉の緩和:血行を促進し、冷房で固まった筋肉のコリやハリを和らげます。

冷え性改善と発汗:ミネラル成分が熱を保ち、ぬるめのお湯でも芯から温まることで爽快な発汗を促します

美肌と保湿:紫外線や汗でダメージを受けた肌のバリア機能を助け、しっとりとしたうるおい肌へ導きます

リラックス効果:自律神経を整え、夏の浅くなりがちな睡眠の質を高めて良質な睡眠をサポートします

 これならお風呂に入るだけなのでズボラなかたでもYouTubeなど見ながら体調管理できますね!

自分の体を「マネジメント」する意識を

実はやってはいけない「夏バテを悪化させるNG行動」…プロがすすめる“夏のダルさ”解消法
夏バテ
 8月は猛暑と冷房のギャップにより、1年の中でも特に心身のコンディションを保つのが難しい季節です。
「なんだかダルい」という感覚は、あなたの体が発している「過酷な環境の変化に必死に対応しているよ」という大切なサインです。

 そのサインを無視して気合いで乗り切ろうとするのではなく、寒暖差や冷房という環境要因に対して、適切なケアをしてあげること。それこそが、高いパフォーマンスを維持するための「健康マネジメント」です。

 今回、ご紹介した3つの習慣は、どれもお金をかけずに今日からできるものばかりです。ぜひ実践していただき、厳しい夏の暑さを軽やかに乗り越えていきましょう。

 もしそれでも首肩の張りや頭痛が抜けない場合は、骨格の歪みから自律神経が乱れている可能性があります。我慢しすぎず、ぜひお近くの信頼できる専門家や整骨院を頼ってくださいね。プロの手を借りることも、立派な自己管理の一つですから。それでは、今日も健やかな一日をお過ごしください!

【shuhei】
柔道整復師(国家資格)。5万人以上の施術経験、大相撲、女子ゴルフ、ラグビー、アーティストライブサポートなどのトレーナーを担当。現在は表参道、上野で著名人来院多数の店舗を構え、温熱施術を中心とするベストリ式温熱整体を考案し、腰痛肩コリのみならず冷え性、睡眠障害、姿勢の調整をおこなっている
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