M-1決勝進出を果たし、バラエティ番組でも独特の存在感を放つ、シシガシラ脇田。それでも本人は「思ったほど人生は変わっていない」と笑う。
芸歴15年の下積み、恋愛事情、そしてハゲネタを続けた先でついに来た、育毛シャンプーのCMオファー。しかし、それも意外な展開に。ブレーク後のリアルを本人に聞いた。
M-1決勝出たのに「なんにもなかった」シシガシラ脇田。最高月...の画像はこちら >>

M-1で決勝に進出したら、もっと…

――シシガシラさんといえば、M-1グランプリ2023では決勝まで行ってます。失礼を承知で申し上げますが、ファイナリストにしては目立ってなくないですか?

脇田:いきなり失礼ですね(笑)。でも、本当にそうなんですよ。僕ら、敗者復活戦から勝ち上がって決勝に行きました。昨年のM-1で、カナメストーンが同じ流れだったですが、彼らはあの後、マクドナルドのCMオファーが来てるんです。僕らは、なんにもなかったのに!

――ただ敗者復活からだと、サンドウィッチマンさんやトレンディエンジェルさんが優勝しています。シシガシラのお二人も、敗者復活で勝った時はこのビジョンを描いたんじゃないですか?

脇田:完全にそうですね。それにトレンディさん以来のハゲ2組目の優勝いくぞ!と思っていました。

――その意気込みでの決勝だったんですね。

脇田:決勝は、僕らが2番手だったんですけど、1組目が令和ロマンでめちゃくちゃウケていました。
だから、「今日のお客さん、あったかいんだ」と思って出て行ったら僕らで失速しちゃって(笑)。

――とはいえ、テレビ仕事も増えたんじゃないですか?「水曜日のダウンタウン」(TBS系)にもちょくちょく出られていて、よく話題になっていますね。

脇田:ありがたいです。先日の「ぼくらのバリケード戦争」と、つまみ枝豆さんに説教をされている時に、ふんどしに火がつくドッキリ企画(2025年8月放送)は特に大きい反響でした。

15年間の不遇時代を経て

――現在は、ゴールデンの時間帯でも活躍されていますが、食えない時代も長かったですか?

脇田:2007年デビューで、バイトを辞められたのが2022年なんで15年くらいは食えなかったですね。

――最初の頃、芸人としての収入はどのくらいだったんですか?

脇田:ゼロですよ。いや、出演するライブのチケットを自分たちで買い取りながら出ていたので、マイナスで何年もやっていました。

――そこから、収入が伸びたきっかけはあるんですか?

脇田:マネージャーさんの力ですね。芸人の数が多いので、最初の頃はマネージャーさんがつかないんですが、劇場のランクがあがってきたときに初めてついてもらいました。その時に、マネージャーさんとの面談で、今後目指したい方向性を聞かれて「M-1の決勝に行きたいです!」と伝えたんです。そうしたら、そのマネージャーさんがどんどん動いてくれて、BSよしもとのレギュラー番組などを決めてくれました。そこからですね。

――そこは芸人自身ではできない部分ですし、結果的に2023年にはM-1決勝出場の目標も達成しましたね。


脇田:マネージャーさんの存在の大きさはすごいですよ。

CM出演で最高月収を更新

――最初はマイナスからスタートした芸人としての収入ですが、最高月収はどのくらいですか?

脇田:去年の春くらいに、もう少しで3桁万円に届くぐらいまでいきました。

――特別な仕事が入ったんですか?

脇田:ウェブCMに呼んでいただいたんです。育毛シャンプーなどを手がけている「アンファー株式会社」さんのCMです。

――おお!ハゲ芸人としてはこれ以上ない仕事ですね!

脇田:それが、メインは相方の浜中だったんですよ。相方が少しハゲてきていたので。

――え!?まさかすぎます!

脇田:僕、相方のバーター(抱き合わせ出演)だったんです(笑)。

同世代芸人との共同生活構想を描く

――とはいえ、こうして収入もあがってきて家賃の高いところにも引越しができたんじゃないですか?

脇田:いえ、まだ全然安いところにいますね。

――現在、独身でいらっしゃいますが、ヤーレンズの楢原さんと「老人になってもお互いに一人だったら一緒に暮らす」という約束をしていると聞いたことがあります。

脇田:独り身でのたれ死ぬのは嫌なので、どっちかがめっちゃ売れたら、アパートを一棟買ってそこに住む約束をしました。今は、ヤーレンズさんが売れたので「楢原荘」ができる可能性が濃厚ですね。

――楢原さんはラジオなどでも、恋人が10年以上いないことを話していらっしゃいますね。

脇田:でも僕は一昨年、20年ぶりくらいに彼女ができたんですよ。付き合った時に、楢原さんに報告したら「なんなの?マジで」って、キレてる感じになっちゃって(笑)。


――裏切ったみたいになってる(笑)。

脇田:ふてくされながら「おめでとう」って(笑)。でも、その彼女とも去年の夏に別れちゃって……。もう今後は彼女もマジでできないだろうなと思っています。今は、モテない後輩芸人にも「最終的には楢原荘ができるから安心だ」と話す毎日です。

ネタ内の“ハゲ”を減らしていくフェーズに

M-1決勝出たのに「なんにもなかった」シシガシラ脇田。最高月収3桁万円間近も…ハゲネタを減らすわけ
ハゲネタを期待する客も当然いるからこそ、どう折り合いをつけるのかが難しいようだ
――しかし、「脇田荘」ができるくらい、シシガシラさんもさらに売れたいところですね。「次世代のハゲネタ」などと呼ばれていますが、ハゲだけでネタを生み続けるのは大変じゃないですか?

脇田:確かに大変ですね。いろいろと考えすぎて、お客さんにまったく伝わらないネタになったこともあります。でも、双子漫才師のダイタクさんが、ずっと双子ネタだけをやられているので、ネタ切れなんて言ってられないです。

――また、見た目いじりは現代のコンプライアンスでは難しくなってきていますよね。

脇田:手に汗握る場面も多いですが、客席にハゲている方がいるとウケないんですよね。だから、ハゲが全く入ってないネタをやったこともあったんですが、お客さんが「いつハゲネタが来るの?」って構えてるうちにネタが終わって「あれ? ハゲがなかったじゃん」という感じでスベったこともありましたね。


――そうした経験から、今はどんなネタ作りをされているんですか?

脇田:お世話になっている先輩の囲碁将棋さんに「ネタの中に一箇所だけハゲを入れるだけでいいんじゃない?」とアドバイスをいただいて、なるほどと思ってその方向で作ったりしました。それと、お笑い好きの方には少しずつ知られてきたので、今はハゲなくてもいい時期かなと思うようになりました。

――ハゲに頼らない。その上で、相方の浜中さんは千原ジュニアさんのYouTubeで「売れるためなら、リズムネタをやってもいい」とおっしゃっていましたが。

脇田:僕は絶対イヤです(笑)! 僕は、大喜利がとても苦手なので、即興でこたえられるスキルをつけていきたいですね。

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M-1決勝進出を果たしても、人生が劇的に変わるわけではない。それでも15年に及ぶ下積みを経て少しずつ仕事は増え、芸人としての立ち位置も変わり始めた。そして今、脇田は「ハゲ」という代名詞に頼るだけではない漫才を模索している。武器を手に入れたからこそ、その先へ進もうとする姿勢こそが、シシガシラの現在地なのかもしれない。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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