「なぜ、こんな運転をされなきゃいけないんだ」――ハンドルを握る誰もが、一度は理不尽な思いをした経験があるのではないでしょうか。あおり運転は令和2年6月に「妨害運転罪」が創設され厳罰化されましたが、日常のさまざまな場面でトラブルは起こり続けています。

「なんやワレ!」軽自動車に横並びで怒鳴り散らしてきた“あおり...の画像はこちら >>
今回の舞台となるのは軽自動車です。日本自動車工業会の「2025年度 軽自動車の使用実態調査」によると、軽乗用車の主運転者は64%が女性。乗用車全体では主運転者ベースの女性比率が3割台半ばなので、軽に限ると倍近い水準です。「軽=女性が乗っているクルマ」というイメージは、あながち間違いではないのかもしれません。あおり運転をする側が“反撃されなさそうな相手”を選んでいるとしたら、軽自動車が狙われやすい理由も見えてきます。

今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ人気記事から、あおり運転をめぐる実録エピソード。かわいい軽自動車があおられた末、車内から出てきた“意外な人物”の一言で、粋がっていた若い運転手の顔色が一瞬で変わったといいます。

記事の後半では、あおり運転に遭遇したときに取るべき行動を、警察庁の呼びかけからあわせて紹介します。

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急加速で近づいてくる危険なあおり運転

「なんやワレ!」軽自動車に横並びで怒鳴り散らしてきた“あおり運転”の若者が一瞬で青ざめたワケ/「軽=女性」というイメージは本当か調べてみた
※画像は生成AIによるイメージです
 友人宅に遊びに行ったときにあおり運転に遭遇した遠山隼人さん(仮名・50代)。

「ランチに焼肉パーティーをすることになり、友人の奥様の運転で郊外の大型スーパーへ買い物に出かけました。友人の車は軽自動車で、車体は黄色と白色のストライプ。いわゆる女性向けのかわいい車です」

 友人は、がっしりとした体型で坊主頭。目が“ぎょろり”としておりガラガラ声で、バリバリの関西弁だそうだ。
一見すると“おっかない関西人”の典型みたいな人と、遠山さんは説明する。

「友人は寝不足気味だったので、車が走り出してすぐに助手席のシートを倒して、ウトウトと眠りはじめました。奥様は、後部座席の私に話しかけながら、のんびりと走っていたんです」

 しばらくすると、友人の妻がバックミラー越しに後ろを気にしているようすだったという。遠山さんが振り返ると、後続車がやけに接近していたそうだ。

「運転手は若い男性でした。車体を左右に揺らしたり急加速で近づいてきたり。いわゆる“あおり運転”をしかけてきました」

“あおり運転”の若者が一瞬で青ざめる瞬間…

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※画像は生成AIによるイメージです
 運転手を見ると、怒りながら何かを言っているようだった。遠山さんは友人の妻に「先に行かせましょう」と言い、左側の道に移動するように指示したという。しかし……。

「道幅が狭かったので左側ギリギリまで寄せてから、ハザードランプをつけて車を停めました。すると相手は追い越す際に横に並んで怒鳴り散らしてきたんです」

 そのとき、目を覚ました友人がゆっくりと上半身を起こした。そして、隣の車の運転手をぎょろ目で一瞥してから低いガラガラ声で一言。

「なんやワレ!」

 かわいい軽自動車の中から、突然に身を起こした“おっかない関西人”みたいな男性の一言に、今まで大声で喚いていた運転手の顔が青ざめていったのだとか。


「なんやワレ!」軽自動車に横並びで怒鳴り散らしてきた“あおり運転”の若者が一瞬で青ざめたワケ/「軽=女性」というイメージは本当か調べてみた
※画像は生成AIによるイメージです
「“やっ、やばい……”と顔に書いてあるようで、一瞬での変化に笑いそうになりました。友人が窓を開けようとした途端に、あおり運転の車はタイヤを鳴らして急発進していきました」

 運転手はよほど慌てたのか、右側の縁石に乗り上げ、植え込みのつつじに突っ込んだそうだ。そして、土煙を上げながら走り去ったという。

「この出来事をきっかけに、奥様は車で出かけるときには、友人を助手席に乗せていくことにしたみたいです」

<取材・文/chimi86>

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■もしあおり運転に遭ったら

今回の遠山さんのエピソードは、たまたま“おっかない関西人”に見える友人が同乗していたおかげで、大事に至らずに済みました。ただ、これは決して推奨できる対処法ではありません。

警察庁は「危険!『あおり運転』はやめましょう」と題したページで、あおり運転を受けた場合の対応を明確に示しています。サービスエリアやパーキングエリアなど交通事故に遭わない場所に避難すること、車外に出ないこと、そしてためらわずに110番通報すること。加えて、ドライブレコーダーの装着も、悪質・危険な運転の抑止に有効だと呼びかけられています。

■軽自動車は「生活の足」

「なんやワレ!」軽自動車に横並びで怒鳴り散らしてきた“あおり運転”の若者が一瞬で青ざめたワケ/「軽=女性」というイメージは本当か調べてみた
※画像は生成AIによるイメージです
改めて数字を見てみると、軽四輪車は全国で3,227万台が保有され、国内の自動車保有台数のおよそ4割を占めています。全国軽自動車協会連合会の集計(令和7年12月末現在)では、100世帯あたりの普及台数は長野県が104.5台で7年連続の全国1位。鳥取、島根、佐賀を含めた4県が「1世帯に1台以上」に達しています。一方、東京都はわずか12.2台。地域差は8倍以上です。
日本自動車工業会の調査でも、人口密度の低い地域を中心に約8割が「軽から普通自動車に変えると不都合がある」と答えており、地方にとっては暮らしの必需品であることがうかがえます。

そして、そのハンドルを握っているのは、64%が女性。買い物、送り迎え、通勤――日常のあらゆる場面で、軽自動車は静かに走り続けています。

「軽だから舐めていい」も「関西弁だから怖い」も、どちらも運転席の中身とは関係のない思い込みにすぎません。ハンドルを握れば、そこにいるのはただの一人の人間。あおる側にとっても、あおられる側にとっても、忘れてはいけない当たり前のことなのかもしれません。

「なんやワレ!」軽自動車に横並びで怒鳴り散らしてきた“あおり運転”の若者が一瞬で青ざめたワケ/「軽=女性」というイメージは本当か調べてみた
※画像は生成AIによるイメージです
<再構成/日刊SPA!編集部>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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