元AKB48の板野友美が、ホテルでの“脱衣所動画”騒動から抜け出せずにいる。
 発端は9月3日。
自身のYouTubeチャンネル「友chube」で公開した家族旅行の動画だった。

 宿泊先「ザ・リッツ・カールトン日光」の大浴場脱衣所で、入浴後の長女の髪を乾かしたり、スキンケアをしたりする様子が含まれていた。

 これを見たユーザーを中心に、公共の脱衣所で動画を回す非常識さに批判が殺到した。

板野友美「脱衣所動画」の炎上が泥沼化したワケ。“最強の盾”を...の画像はこちら >>

釈明するも、収束せず

 それを受けて板野は9月5日、自身のXで「誤解を招くような表現となってしまい」と謝罪。そのうえで、「ホテル側より特別に撮影許可をいただいた」と釈明。

 だが、これで収束するかと思いきや、ホテル側からの回答が、さらなる炎上を呼ぶ。

「週刊女性PRIME」の取材に対し、ホテル側は「脱衣所での撮影まで許容するものではなかった」と反論。両者の説明が食い違う事態となったのだ。

 さらに、昨年も同ホテルの脱衣所で撮影していたことが判明し、“常習性”を指摘する声も強まった。

過去にアップした動画が「5本減少」

 9日にはホテル側から追加の説明があり、当該の撮影が大浴場の営業時間外に行われたものだったことも判明した。すると今度は「4歳の子どもをそんな時間まで起こしていたのか」との批判も加わり、騒動はさらに広がった。

 実際、「友chube」のデータを見ると、騒動の規模と対応の実態が浮かび上がる。

 問題の動画は投稿から6日間で125万回視聴を記録。チャンネル全体の再生回数も、謝罪翌日以降は1日40万回前後と、通常の10倍近いペースで伸びた。


 8月12日から9月10日までの累計増加数は255万回を超える。

 しかも登録者数はこの間、40万2000人から40万4000人へと、むしろ2000人増えている。炎上による注目度の高さがうかがえる。

 だが一方、9月8日には、動画本数が一気に5本減少している。

 過去動画の一部が非公開・削除された可能性が高く、今回の炎上に関連して再び糾弾される可能性があるコンテンツを、板野側が整理した可能性もある。

 事実であれば、これまで指摘されてきた“立ち振る舞い”の危うさを裏付ける材料となる。

見逃せない要素「事務所からの独立」

 板野友美といえば、誰もが知る元AKBのアイドルメンバーだ。

 2005年、AKB48の1期生としてデビュー。

 2009年、2010年の選抜総選挙では2年連続で、前田敦子や大島優子らとともに上位7位に入り、不動の人気を誇る「神7」の一角として一時代を築いた。

 歌手、女優としても活動の幅を広げ、2013年にAKB48を卒業した後も第一線で活躍を続けてきた。

 プライベートでは2021年1月5日、東京ヤクルトスワローズの投手・高橋奎二と結婚。

 同年10月10日には第一子となる女児を出産し、以後は「ママタレント」としての顔も持つようになった。

 これまで「ともちん」として、何かと話題を振りまき続けてきた板野。


 今回の一件を語るうえで最大の転機は、彼女が今年5月、15歳から19年間在籍してきたホリプロを退社し、独立したことだ。

 自身のInstagramとXでは事務所への感謝を綴りつつ、前年に迎えた芸能生活20周年を機に「これからの人生や歩み方について、深く考える時間が増え」「もう一歩、自分で進んでみたい」と決断理由を説明した。

 近年の板野は、自らが代表を務めるアパレルブランド「Rosy luce(ロージールーチェ)」を運営。

 さらに、プロデュースするアイドルグループ「RoLuANGEL」(ロージーエンジェル)の裏方業務など、タレント業から実業家業へと軸足を移したいという思いが、独立の背景にあったとみられる。

もともと“炎上体質”だった

 ここまで騒動が広がった背景には、そうした後ろ盾を失ったことも一因として考えられる。

 もちろん、本人の自由な裁量で撮影内容を決めていたと思われる。

 ただ、こうしたパブリックな場所での撮影には、細心の注意を払う必要がある。

 もしホリプロによる事前チェック、あるいはマネージャーに“ひと言”でも相談していれば、撮影範囲の確認や脱衣所シーンのカットなど、リスクを回避できた可能性はある。

 さらに、その後の“もたつき”やホテル側との“行き違い”も、未然に防げたかもしれない。

 もっとも、板野はもともと“炎上体質”のタレントだった。

 たとえば2022年末、夫・高橋投手と同行したハワイ・ヤクルト優勝旅行では、現地でビキニショットを披露。これが「選手の妻らしくない」と物議を醸した。

 2023年3月のWBC決勝後には、高橋投手のユニフォームの下に先述の「Rosy luce」のいちご柄ワンピースを着てグラウンドに登場した。


 その1週間後に同商品を発売したことで、「WBCを宣伝に利用したのでは」と批判された。

 板野本人は「グラウンドに降りることは事前に知らされていなかった」「家族撮影だけだと思っていた」と経緯を丁寧に説明している。

 だが、一度ついた“商魂たくましい”というイメージは、その後も何かにつけて疑いの目を向けられる火種になった。

これまでは事務所の盾に守られていたが…

 また、事業家・起業家としても“詰めの甘さ”を指摘される場面が繰り返しあった。

 2023年6月には、経営するコスメ会社「bebe cosmetique」をめぐり、かつての共同経営会社から約750万円の立て替え金の返済を求めて提訴される金銭トラブルも週刊誌で報じられている。

 つまり、“燃えやすさ”自体は今に始まった話ではない。

 ただ、これまではホリプロという大手事務所のマネジメント体制があったことで、どの騒動も致命傷にはならず沈静化してきた。

 今回、そのブレーキ役がなくなったことで、リスク管理のもたつきが表面化した格好だ。

独立タレントならではの“隙”

 独立発表に先立つ3月4日には、『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)に出演。家賃200万円超の自宅や、エルメスのバッグが並ぶクローゼットを公開し、“セレブキャラ”を印象づけていた。

 この時点ではまだホリプロの後ろ盾があり、露出戦略として一定の管理下にあった。

 しかし独立後は、こうした華やかな発信を誰がどこまでチェックしているのかが不透明なまま、今回の騒動を迎えている。

 板野のケースは、知名度と実績のあるタレントであっても、独立後は事務所というクッションを失うことで、危機管理の初動対応や取引先との調整力に思わぬ穴が生じうることを浮き彫りにした。

 さらに今回、取材を申し込んだメディアに対し、板野の代理人弁護士からの折り返しがなかったと報じられている。


 この点も、対外窓口の体制がまだ手薄であることを示唆している。

 こうした後手後手の展開自体も、対応窓口が一本化されていない独立タレントならではの“隙”を突かれた結果とも読める。

タレントにとって教訓になる騒動だった

 総じて見えてくるのは、独立タレントは、発信の自由と引き換えに、有事の際の防御態勢まで自分で構築しなければならないということだ。

 大手事務所に所属していれば、問題が起きた際の謝罪文の文言確認、法務部門との連携、対外的な窓口の一本化までを組織的にこなせる。

 だが、個人事務所となった板野は、その機能をおそらく本人と少人数のスタッフだけで担わざるを得なかった。

 独立したタレントにとって、YouTubeやSNSでの発信は、事務所を介さず直接ファンとつながれる大きな武器だ。

 一方で、投稿前のリーガルチェックや契約先との細かな確認作業を、自ら、あるいは小規模なチームで担わなければならないリスクと表裏一体でもある。

 つまり、これから独立するタレントは最低限、公開前にリスクのある映像をチェックする編集体制や、批判が出た際に謝罪文の文言や法的対応を一元的に判断できる専門家など、事務所に代わる“外部の後ろ盾”を整えておく必要があるだろう。

 今後、大手事務所を離れて個人で活動するタレントが増えていく中で、この一件は、そうした体制構築を怠ったまま独立に踏み切ることのリスクを示す、業界全体にとっての一つの教訓になりそうだ。

<TEXT/川瀬孝雄>

【川瀬孝雄】
テレビ業界に身を置く傍ら、フリーライターとして芸能・テレビ番組を中心にコラムや分析記事を執筆。テレビ番組のトレンドやドラマの傾向、芸能人の動向などを独自の視点で読み解き、ニュースサイトを中心に寄稿している。
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