◆テニス ▽全米オープン第13日(11日、米国・ニューヨーク)

 【ニューヨーク11日=吉松忠弘】車いすテニスのジュニア女子シングルス決勝が行われ、ジュニア世界ランキング1位の松岡星空(せいら・NGK)が自身初の4大大会優勝を遂げた。同2位で全豪、全仏を制していたルナ・グリプ(ベルギー)に7-6、6-3のストレート勝ち。

日本選手としての4大大会ジュニア・シングルス優勝は、2024年全米のジュニア女子を制した高室侑舞以来2人目。

 最後は相手のバックがネットにかかると、松岡は、ガッツポーズから両手を突き上げ、笑顔にまみれた。「すごい緊張した。最後までしっかりいいプレーができた」。主審と握手の後、指導を受けてきた貝吹健コーチと抱き合うと、目には涙が浮かんだ。

 対戦相手とは、過去4勝4敗の互角だった。しかし、4大大会になると「相手が大事な場面でメンタルが強い」(貝吹コーチ)と、3戦全敗。全豪、全仏の決勝で敗れた。その相手に、4大大会で初めて勝ち「前まではすごい勝ちたいのが強くて楽しめなかった。今回は楽しもうと思っていた」ことで、気持ちに余裕ができた。

 2010年生まれの16歳。Z世代より下のα世代だ。

報道陣の問いに、きょとんとして答えるのも初々しい。「頑張ってラリーして、自分から攻めていくプレーをやろうと。それがやり抜けて、ぼちぼちって感じ」と、満面の笑みだ。

 脊髄梗塞で5歳の時に車いす生活になった。6歳の時、近くの体育館で車いすテニスを練習している場所があって「体験したらおもしろそうだった」。車いすテニスの選手の中でも、障害は大きな方だ。「おへその下ぐらいから感覚がなくて、全く動かない」。そのハンデをものともせず、4大大会初優勝につなげた。

 2028年ロス・パラリンピックは、18歳になるが「ちょっと早い」らしい。ならば次の2032年ブリスベンは「ちょっと目指して頑張りたいなと思っている」。まだ22歳だ。ジュニアに続いて、一般(シニア)でも世界女王を目指す。

 星空と書いて「せいら」と読む。「なぜ両親がつけたのか」と問われると「(両親に)聞いたことがない」と、なぜそんなことを聞くのかと不思議がった。ただ「気に入ってます」。だけど「読んでもらえない。何て呼ぶのって聞かれる」と笑った。

 ◆松岡星空(せいら)2010年1月13日、愛知県あま市生まれ。脊髄梗塞で5歳で車いす生活となり、6歳で車いすテニスを始める。2023年日本車いすテニス協会次世代育成強化選手に選ばれ、2025年世界ジュニアマスターズで、大会史上最年少で優勝した。クラーク記念国際高校2年。家族は両親と弟。

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