◆全日本プロレス「第13回 王道トーナメント」(9日、東京・品川プリンスホテル ステラボール)観衆775(札止め)

 全日本プロレスは9日、東京・品川プリンスホテル ステラボールで秋の最強決定トーナメント「第13回 王道トーナメント」開幕戦を開催した。

 札止めとなった大会で1回戦3試合が行われ、昨年の覇者で三冠ヘビー級王者・宮原健斗とアップタウンの“リーゼント”小河彪と対戦した。

 戦前、デビュー1年目の小河を「どこの馬の骨かわからないヤツ」とこき下ろしていた宮原は「1分」で決着をつけることを予告していた。

 ゴングが鳴ると小河は、果敢なエルボーとタックルで三冠王者に向かっていく。宮原の圧勝を予想していた下馬評を覆す展開。金髪のリーゼントがまぶしく輝くリング上に札止めの客席は「リーゼント」コールがわき起こった。

 喚声を打ち砕くように宮原はブラックアウトでリーゼントを遮断すると予告通り「1分」で必殺のシャットダウンスープレックスホールドを仕掛ける。懸命に耐えたリーゼントは、首固めで切り返しカウント2・9まで追い込んだ。会場のボルテージがさらにリーゼント一色に染まる中、宮原は場外戦を仕掛け頭突きのラッシュで小河を追い込んだ。

 それでもリーゼントは崩れることなくタックル、そしてバックドロップを三冠王者にたたき込んだ。さらに宮原の顔面蹴りの洗礼を浴びながらもチョップ、ブレーンバスターでカウント2まで追い込んだ。リーゼントの大健闘に会場は沸騰。ファンの声援に戸惑いと驚きをあらわにした宮原だったがブラックアウトから最後はシャットダウン・スープレックス・ホールドを繰り出し小河を仕留めた。

 デビュー1年目で三冠王者と互角の勝負を展開した驚異のリーゼント。

試合後、宮原は小河の手を挙げ健闘をたたえ、熱い抱擁をかわしリーゼントの実力を認めた。バックステージで小河と共に姿を見せた宮原は、精根尽き果てた一戦にしゃがみこみ「どこの馬の骨かもわからない男を、このスーパースターの1回戦に全日本プロレス当てやがって。と、昨日まで思っていたが、この世界はリング上が全てだ。今日この会場で彼の名を呼び続けた。それはなぜか。彼のハートが見てる人に、今日まで彼のキャリアの短い中でも伝わっているからということだ。どこの誰かはわからんかったが、覚えたぞ。アップタウン、リーゼント、小河彪だ。いってらっしゃいだ」と賛辞を送った。

 ただ、小河は、自身の決めゼリフを誤ったことに「最後だけ…『行ってきます』です」と突っ込むタフな精神力も披露。これに宮原は構うことなく「どこの馬の骨なの?」と問いかけると、「黒潮TOKYOジャパン率いるアップタウンのリーゼント小河彪です。まずは今日は戦っていただいて本当にありがとうございました。

誰かわからない、お前誰だ?とずっと言われ続けて、それに返すように自己紹介してましたけど、さっき言っていただいた言葉がめちゃくちゃ心に染みて嬉しく思います。僕の夢はスーパースターになることです。だからプロレス界のスーパースター宮原さんと当たれたこと、本当は本当はめちゃくちゃ嬉しかったです。でもそんな気持ちのままじゃダメなので、もう当たることはないとか言われてたけど、僕がその段階まで行って、なんなら超えて宮原さんとまた戦ってみせます。なんなら組んでいただいてもとても嬉しいです」とタッグ結成も懇願した。

 これに宮原は応じず「そろそろ終わっていいかな?」と切り上げると小河は「すいません。長話が得意で」と恐縮した。三冠王者は「俺まだ王道タッグで 1回戦終わったばっかりなんだよ。わかる?」と問いかけ小河は「おめでとうございます」と自らの敗戦を忘れたかのように祝福した。バックステージでも絶妙な呼吸を見せた2人。宮原は「9月12日の羆嵐vs本田竜輝の勝ち上がった方と2回戦だ。どちらが来るのか楽しみにしてるよ。

以上かい。自己紹介は?言い残したことないかい?」と振ると小河は「行ってきます!」と絶叫した。

 リーゼントの決めゼリフに呼応するように宮原は「最後 2人でやっとくか。立って気合入れていこう」と呼び掛け「全日本プロレス、満場一致で最高の男・宮原健斗です!行ってきまーす!」と鼓膜が破れそうになるほどの大声でほえ、小河も「アップタウンのリーゼント・小河彪です。行ってきます!ありがとうございました」と雄たけびをあげると、小雨降る品川の闇に金髪リーゼントがまぎれていった。

 ◆9・9品川大会全成績

 ▼第1試合 アジアタッグ王座決定戦前哨戦 6人タッグマッチ 30分1本勝負 

田村男児、○立花誠吾、大森北斗(9分46秒 ヤンキーハンマー→片エビ固め)MUSASHI●、関本大介、青木優也

 ▼第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負

ザイオン、○オデッセイ、芦野祥太郎(8分43秒 ジャーニーズ・エンド→片エビ固め)本田竜輝、羆嵐、矢野安崇●

 ▼第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負

○青柳優馬、安齊勇馬、小藤将太(10分48秒 人でなしドライバーを切り返し→エビ固め)斉藤ジュン、斉藤レイ、ライジングHAYATO●

 ▼第4試合 王道トーナメント 1回戦 時間無制限1本勝負

○ティモシー・サッチャー(15分24秒 フジワラアームバー)鈴木秀樹●

 ▼第5試合 同

○宮原健斗(10分54秒 シャットダウンスープレックスホールド)小河彪●

 ▼メインイベント 同

○潮﨑豪(22分27秒 豪腕ラリアット→体固め)綾部蓮●

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