2008年の菊花賞馬オウケンブルースリが9月9日に死んだことを、けい養先の「うらかわ優駿ビレッジAERU」がXで発表した。一夜明けた10日、菊花賞で同馬とコンビを組んで勝利した内田博幸騎手(56)=美浦・フリー=が、美浦トレセンで感謝の思いを伝えた。

 内田騎手は「本当にさみしいですね。あれだけ頑張ってくれた、いわば同志ですから」と感慨深そうに口を開いた。08年は、内田騎手が南関東からJRAに移籍した初年度でもあった。「移籍した年に、勢いをつけてくれた馬。(菊花賞の舞台である)京都は数も乗っていなかったし、何回も過去のレースを見て研究しました」と当時の“秘話”を明かした。

 神戸新聞杯3着から臨んだ菊花賞は1番人気に支持された。レース前にシミュレーションしていた効果もあり、3角過ぎからまくり気味に進出して、直線も力強く押し切った。「うまくいった。直線は絶対伸びると思った。“地方の内田”ではなく、“中央の内田”として依頼されたので。思い出に残る1頭で、支えてくれた馬です」と懐かしそうに回想した。

 09年のジャパンCでもウオッカの鼻差2着と活躍した同馬は、21歳で死んだが多くのファンがけい養先まで見にくるなど、人気は高かった。

「いろんな人にかわいがられて、寿命を全うできてよかった。おつかれさまもあるけど、ありがとうという気持ちの両方ですね」とパートナーをねぎらった。

 2012年菊花賞は個性派ゴールドシップとの勝利だったが、そこにもオウケンブルースリの経験が生きた。「追い込んで勝ったのは自信になったし、経験の大切さを教えてくれました」と笑みを浮かべた。

 内田騎手自身は、今年1月の落馬負傷から、8月29日に復帰したばかり。「人生の一部に携われて、僕の誇りですね。まだまだジョッキーを頑張ります」。次の勝利を目指して、名手は今週も騎乗する。

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