◆春季奈良県大会 ▽3位決定戦 奈良6―3橿原学院(10日・さとやくスタジアム)
奈良、兵庫、滋賀で決勝などが行われ、県立進学校の奈良が3位決定戦を制し、初の春季近畿大会(24日開幕、奈良・さとやくスタジアム)出場を決めた。天理は、橋本桜佑(おうすけ、2年)が奈良大会では夏と秋を含めて決勝戦史上初の無安打無得点を達成。
土俵際でうっちゃった。2―3の9回、奈良は松本悠斗捕手の中犠飛で追いつき、なおも2死一、三塁。4番・岡田宙大(そらた)左翼手(ともに3年)が、右翼ポール際に勝ち越し3ランを放った。「とてもうれしい」。近畿大会初出場を決定付ける公式戦初アーチ。かみしめるようにダイヤモンドを一周した。
昨秋は奈良大会準Vで34年ぶりに秋季近畿大会出場。1回戦で立命館宇治(京都)に1―4で敗れた。近畿の21世紀枠候補選出の期待が懸かったが、吉報は届かなかった。追い打ちをかけるように、吉村貴至前監督(52)が異動し、4月にOBの村田大祐監督(43)が就任した。「マジかよ!」。
前体制時から練習は週に5日で、1時間半~2時間程度。グラウンドは他部との共用で内野部分しか使えない。ノックは一日あたり6分×2度の12分しかしない。「十分。集中してやっている」と村田監督。着任後、試合直前を除けば、外野を含めたシートノックができたのは一度だけという。「前の監督(の時)から、選手が自分たちでメニューを考えてやっている」と指揮官が胸を張るように、主体性が実を結んだ。
開催地の奈良県だけは、3位以上が近畿大会に出場できる。主将らけが人が出ながら、奈良の公立校が秋春連続で同大会に出場するのは、06~07年の郡山以来、18年ぶり。「私だけが新参者。