◆JERA セ・リーグ ヤクルト2ー3巨人(10日・神宮)

 大勢は噴き出た汗を拭い、拳を握り締めた。3―1の8回。

茂木、古賀をフォークと最速157キロの直球で連続空振り三振で2死。代打・北村拓に中前安打、続く武岡には右翼線への適時二塁打を浴びて1点差に迫られたが、最後も岩田を空振り三振で同点は許さなかった。リーグ単独トップの10ホールド目も、4月19日のヤクルト戦(神宮)以来の今季2度目の失点に「同じ相手に点を取られて情けない。10ホールド目の節目だったのでゼロに抑えたかった。詰めの甘さを感じた」と反省した。

 今季は主に8回の男としてフル回転。だが「もう少しで球団記録だったので、そこは取りたかったんですけど…」と昨季まで計80セーブを積み上げ、角三男とクルーンの球団最多93セーブを狙っていた本音もあった。それでも開幕前には阿部監督から「ホールドのタイトルを取れ」と最優秀中継ぎタイトル獲得指令を出され「自分の仕事を全うしたい」と燃えていた。「先を見ることなく一個一個積み上げ、明日は死んでも抑えます!」。熱い思いをボールに込める。(水上 智恵)

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