◆春季兵庫県大会 ▽決勝 東洋大姫路2―1報徳学園(10日・明石トーカロ)

 奈良、兵庫、滋賀で決勝などが行われ、兵庫は東洋大姫路が13年ぶり12度目、滋賀学園は2年連続2度目のVで、ともに近畿切符を手にした。大阪では、大阪桐蔭、履正社などが準決勝に進出した。

 背番号1は涼しい顔でナインの祝福を受け止めた。「エースとしてマウンドを譲りたくない」。伸びのある直球を武器に、6安打8奪三振。東洋大姫路・木下鷹大(ようた、3年)は2回に先制本塁打を浴びながら、低めに集める丁寧な投球で、9回132球を投げ切った。3月のセンバツは先発した広島商戦で5回9安打6失点と打ち込まれ、敗退。そこで気づいた最少失点の意識が、実を結んだ。

 前日の練習では、1点で抑えると岡田龍生監督(63)に予告。直球に対応され始めたとみるや、チェンジアップを効果的に織り交ぜ、4回以降の6イニングを散発2安打に抑えた。右腕は「球速では並んでいる。阪下を超えたい」。故障のためスタンドから声援を送ったプロ注目右腕・阪下漣(3年)へのライバル意識を鮮明にした。

 岡田監督は「選手は1点、1個のエラーの重みを分かっていない。

まだまだ学ぶべきことがある」と、勝ってかぶとの緒を締めつつも、「きょうは木下に尽きる」と、右腕の成長に目を細めた。まずは春の近畿大会、そして1977年夏以来の全国制覇へ―。兵庫の雄が戦力強化を印象づけた。(松ケ下 純平)

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