◆静岡学生野球最終節第1日・日大国際10―0静岡産業大(7回コールド、10日・ちゅ~るスタジアム清水)

 全勝対決を日大国際が制し、優勝に王手をかけた。先発したプロ注目右腕・林京平投手(4年)が、静岡産業大相手に7回無失点。

チームは10―0の7回コールド勝ちで、開幕からの連勝を13とした。11日の同一カードで勝利すれば、2年連続優勝と、全日本大学野球選手権出場権が懸かる東海地区選手権(24日、岐阜)出場が決まる。掛川球場で予定されていた静岡理工科大と聖隷クリストファー大の試合は、雨の影響により11日に順延された。

 日大国際が林の好投でマジックを「1」にした。これまで6勝を挙げている静岡産業大の見目(けんもく)大弥投手(4年)とのエース対決。4回をのぞき毎回走者を背負う苦しい展開ながらも、粘って7回を完投し、6安打9奪三振で今季4勝目を挙げた。「毎年、産業大さん(の打線)には苦しめられている。不安でしたが、良かったです」と胸をなで下ろした。

 昨秋は2位で迎えたリーグ終盤、自身が先発した静岡産業大戦で王手をかけられ、そのまま優勝を許した。今回の大一番は白星を飾り、見事雪辱を果たした。和泉貴樹監督(70)は「まず一つ勝てて良かった。これで他の投手も思いきり投げられるようになる」と力投に感謝した。

 複数のNPB球団スカウトが視察に来た中、初回に自己最速を4キロ更新する152キロをマーク。今季は、対打者への意識を高めたことで制球力も安定した。この日の与四球はわずか1で、今秋のドラフトに向け、アピールに成功した。

 この日は0―0の4回、「3番・指名打者」の木嶋康太(2年)が右越え三塁打で先制点につなげると、勢いづいた打線は3―0の7回に打者一巡の一挙7得点。「きょうは野手に助けてもらった。今度は自分が救うピッチングをしたい」。11日の同カードに勝てば優勝決定も、敗れれば勝率で並ぶため、決着は優勝決定プレーオフに持ち込まれる。エースは最終決戦も見据え、準備を整える。(伊藤 明日香)

 〇…静岡産業大は、先発した見目が0―3の7回1死無走者の場面から3連打を浴び降板。後を継いだ2投手も悪い流れを断ち切れず、反撃の糸口をつかめなかった。「調子が悪かったわけではない。自分の実力不足」と見目は反省。

それでも、まだ逆転優勝の可能性は残されており、「他の投手が頑張って試合をつくってくれると思う。プレーオフになった際は、次こそしっかり勝てるように準備していきたい」と前を向いた。

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