◆東京六大学野球春季リーグ戦 第5週第2日▽法大12―2東大(11日・神宮)

 法大が13安打12点で東大に大勝し、今季初の勝ち点を挙げた。3回から2番手で救援した左腕・宇山翼(4年=日大三)がリーグ戦初勝利。

遅咲きのサウスポーが勝ち点奪取に貢献した。

 「遅いよ!」。そう大島公一監督(57)が笑うと、宇山は思わず笑みをこぼした。ウィニングボールを大事そうに握りしめ、初勝利をかみしめた。

 「去年からずっと初勝利をしたいという目標でやってきた」。3回から救援投手として登板。安打を許しながらも打たせて取る投球で3回4安打2失点。悲願の目標達成にうれしさをにじませる一方で、「内容が(あまりよくない)内容なので、もっとしっかりやっていきたい」と3四球に反省も欠かさなかった。

 大学野球の壁にぶつかった。全国屈指の選手が集まる東京六大学リーグ。「真っすぐのスピードが一番の壁で、2年生のときに大学で戦えるくらいまで伸びたんですけど、それがまた落ちてしまった」。3年春には慶大3回戦で12回にサヨナラ被弾。

「本塁打を打たれてから状態が上がらなくて、(今年の)春先も全然調子が上がらなかった」。それでも努力を怠らず、目標を諦めなかった。「やっとこの3週間くらい(で)調子が上がってきた」。状態を取り戻し、臨んだ今季初の登板でもぎ取った初勝利だった。

 法大はこれで今季初の勝ち点1。第6週には勝ち点2の慶大戦を控える。昨季の成績は2戦2勝。遅れてきたサウスポーが、名門の力になる。(北村 優衣)

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