◆東京六大学野球春季リーグ戦 第5週第2日▽法大12―2東大(11日・神宮)

 東大は投手陣が踏ん張れず、法大に連敗。開幕8連敗で1998年春から55季連続での最下位が確定した。

2回に一挙8点を献上するなど投球の乱れが敗因となったが、打撃では4回に代打出場した工藤雄大(4年=市川)が奮闘。左前適時打を放ってリーグ戦初安打と初打点をマークし、法大相手に一矢報いた。

 「信頼に応えようと思っていた」。4回1死一、三塁のチャンス、投手の打順で代打が告げられた。カウント1―1からの3球目。「狙っていた球ではなかったですけど、気合で左前に運びました」。外角低めを引っ張り、1点を取り返した。

 開幕前に右膝のじん帯を負傷し、悔しい思いを抱えていた。「今はもう動けるようになってきた」と話すが、万全の状態ではないがゆえの代打起用。「監督さんが信頼してくださって、ここぞの場面で使ってくださった」。大久保裕監督(67)の期待に応えたい思いが実を結んだ。

 11日は母の日。

「自分はけがをしがち。実家に帰ったらよくマッサージをしてくれる」。プレーの裏には、離れて暮らす母の支えがあることを明かした工藤。母のために、監督のために、そしてチームのために―コンディションを整え、17年秋から遠ざかる勝ち点獲得に全力を注ぐ。(北村 優衣)

編集部おすすめ