◆東京六大学野球春季リーグ戦 第5週第3日▽明大7-6立大(12日・神宮)

 4季ぶりのVを目指す明大が立大との「5転」するシーソーゲームを7-6で勝利。2勝1敗で3カード連続の勝ち点を奪い、首位に立った。

同点の9回2死三塁、4番・内海優太外野手(3年=広陵)の中前適時打で勝ち越した。

 * * *

 内海のバットに、明大の仲間たちの思いが乗り移った。打球が中前で弾むと、一塁ベース上で拳を握り、ほえた。同点の9回2死三塁。1ボールからの2球目だ。外角ストレートをシャープに振り抜いた。シーソーゲームにピリオドを打つ一打だった。

 「中盤のチャンスを自分が全然モノにできていなかった。最後は絶対にかえしてやろうと思っていた。どんな球が来ても、打とうと思っていました」

 立大1回戦の勝ち越しソロに続く決勝打。勝ち点奪取に大きく貢献し、「勝負強さが売り。立教戦で自分の良さが出た。

得点圏だと集中力も高まる自信を持っています」と充実の表情を見せた。

 打者の理想像に広陵、明大の先輩にあたるDeNAの佐野恵太を挙げる。「率も残せて、チャンスにも強くて」。何度かあいさつしたこともある。「明るくて面白い方。バットをいただきました。飾っています」と内海。戸塚俊美監督(60)も頼れる主砲に「4番としての自覚も出てきた。もっともっと、明治の4番らしくなってくれたら」と称賛した。

 内海家は野球一家。父・将人さんは法大、東芝でプレー。兄・壮太も法大からホンダ鈴鹿で奮闘中だ。

弟・竣太も大阪桐蔭の2年生として、レギュラーで躍動する。3兄弟の共通項に「うーん」と考え込んだ末、「みんな勝負強いんじゃないですか」と笑った。17日からは大事な早大戦。4季ぶりの天皇杯奪回へ、打ちまくる。(加藤 弘士)

編集部おすすめ