◆東京六大学野球春季リーグ戦 第5週第3日▽明大7-6立大(12日・神宮)

 4季ぶりのVを目指す明大が立大との「5転」するシーソーゲームを7-6で勝利。2勝1敗で3カード連続の勝ち点を奪い、首位に立った。

同点の7回から4番手救援した今秋ドラフト候補の最速155キロ右腕・大川慈英(4年=常総学院)が3回無安打無失点の快投で流れを呼び込み、9回2死三塁、4番・内海優太外野手(3年=広陵)の中前適時打で勝ち越した。

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 大川が気迫の熱投で今季初勝利を挙げた。6-6の7回からリリーフ。9回にはこの日最速の153キロを計測した。9回2死、最後の打者には151キロでバットを折り、三直に仕留めて雄たけびを挙げた。

 「同点で同じ4年生の投手がつないでくれた。延長になっても、全部投げきるつもりだった。最後は絶対に抑えてやろうと思っていました」

 苦い思い出を払拭した。昨秋の慶大1回戦では1点リードの9回2死、4番・清原正吾に投じたカットボールをバックスクリーンに運ばれた。「あと1死」からドローに持ち込まれた。

 「2死から点を取られて…2死は自分の中でポイントだったので、そこを抑えられて良かったと思います」。悔しさを学びに変え、最後まで集中力を研ぎ澄ませた。

 戸塚俊美監督(60)も「ここまでシーソーゲームになるとは思っていなかった。こういう試合をモノにできたのは大きい。延長15回まで大川に全部託そうと思っていた」と全幅の信頼を口にした。17日からは早大との大一番。大川は「昨秋の早大戦はイニングの途中でマウンドを降りた。今度は絶対に抑えたい」とリベンジへ闘志をたぎらせた。(加藤 弘士)

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