元NHKの武内陶子アナウンサー(60)が4月に新設された動画配信サービス「学研TV」のトーク番組「人生100年!大人カフェ」(月~金曜・後1時30分)で月曜MCを担当している。還暦を迎えて心機一転。
「人生100年!大人カフェ」は事前収録だが「編集をしない。そのまま出す」スタイル。武内は「テレビのやり方を踏襲しているけど、中身はラジオに近い」と語る。33年にわたって所属したNHKで一番思い出深いラジオ番組「ごごカフェ」と似ていて愛着を感じているという。
NHKでは「おはよう日本」のキャスターや「紅白歌合戦」の総合司会など大役を務めたが、転機になったのは「アナウンサー人生が変わった」というラジオの仕事。ニュースを読むキャスターから、番組を一から作り上げるパーソナリティーに変わり「始めたときは3日で(話すことが)枯れる(なくなる)と思ったんです。ラジオに行くことを心の中では相当渋っていた」と回想した。
そんなことは杞憂(きゆう)に終わり、気づけば5年間、パーソナリティーを担当した。1回3時間半の長い生放送も「生まれてからNHKに入るまでのことも全部無駄にならなくて」と幼少期から大学時代の留学まで、幅広い経験を持つ武内ならではのトークで盛り上げた。ラジオならではのリスナーとのコミュニケーションも楽しみとなり、「今でもラジオが大好きです」とほほ笑む。
2023年9月、NHKを早期退職した。
フリー転身はプライベートの面でも変化があった。20歳の長女、中学3年生の双子の3人の娘を持つ母だが、NHK時代は生放送のキャスター業務で多忙を極め「子どもの入学式にも卒業式にも行ったことないし、授業参観にも行けなかった」。それが現在は「一昨日も保護者会に行ってきました」と明かした。子育て以外でも「自分の予定も大切にできるようになった」と、友人との旅行や長女の影響で始めたBTSのジミンの推し活など、充実した様子をうかがわせる。
4月17日に還暦を迎えた。「還暦だ、還暦だと思って、ハッピーな方向でいた」というが、先日ネット記事の「武内陶子(60)」の表記を見て「可視化されて、『60』っていうのが、うわー、遠くに来たな」と衝撃を受けた。
「人生100年!大人カフェ」のターゲットも自身と同年代。「アラ還(60歳前後)以上の人がターゲットなので、私が心を動かされる人、もの、こと」を意識。
NHK時代を第1章、フリー転身後を第2章として、未来を第3章と捉える。「これから人生を考える人みたいにワクワクしている」と心を躍らせている。体力に不安を示す一方で「何でもできるぞという気持ち」とも。今後については「会社に就職するとかもあるのかな。アナウンサーという仕事を離れる時が来るのもしれないし…」と柔軟な姿勢。好奇心が衰えることはない。
◆武内アナの「イチオシ!」 私の推しはBTSです。娘の反抗期に、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と思い、娘の推しだったバンタン(BTSの愛称)を見始めたら、ミイラ取りがミイラになりました(笑)。
娘よりも私の方が夢中になってしまい、ファンクラブに入るわ、チケット取るわ、グッズは買うわ、センイル(誕生日)イベントのために新大久保で並ぶとか…。ただ、今は新大久保の韓国料理を食べに行ったり、韓国語を習いに行ったり、そこからの副産物の方が私の人生を豊かにしてくれています。
メンバーがもうすぐ兵役から帰ってくるので、そろそろ準備運動をまた始めないと! でも、ファンが増え過ぎてライブも当たる気がしないので、コロナ前にいい思いをしていた古参としては、新人ペン(ファン)たちに譲ろうかなと(笑)。のんびり推します!(談)
◆武内 陶子(たけうち・とうこ)あらかると
▼生まれと経歴 1965年4月17日生まれ、愛媛県出身。60歳。神戸女学院大卒。1991年NHKに入局し、松山、大阪放送局を経て、97年東京アナウンス室。2023年9月に早期退職し、同年10月に大手芸能事務所「サンミュージック」に所属
▼主な出演番組 学研TV「人生100年、大人カフェ」月曜MC、フジテレビ系「サン!シャイン」コメンテーター
▼資格 野菜ソムリエ、スキューバダイビング。「資格を取るのが面白そう。新しいことに挑戦すると違う世の中の面が見えてくるので、(仕事に)ならないにしても世界を知ることは面白いなと思い始めていて」と新たにファイナンシャルプランナー3級の取得に意欲
▼趣味 ピアノ、ゴスペル、韓国語、料理、手芸。取材の席で「娘がやっている曲しか弾けないから」と言いながら、ピアノ演奏を披露した