◆JERA セ・リーグ 中日4―2巨人(31日・バンテリンドーム)

 巨人は同点の8回、2番手のケラーが2四球でピンチを作ると、代打・板山に2点三塁打を許し今季初黒星。連勝は2で止まり首位・阪神と2差に離された。

先発のグリフィンは7回2失点と粘りを見せたが4勝目ならず。打線は1点ビハインドの4回にキャベッジの2点二塁打で一時逆転に成功も、再三の好機であと一本が出なかった。交流戦前最後となる1日の中日戦(バンテリンD)でカード勝ち越しを決めたい。

 一度は逆転したものの、左翼席のG党からはため息が漏れる一戦になった。2―2の8回。2番手・ケラーが2四球で2死一、二塁とすると、代打・板山に右翼線へ決勝の2点三塁打を浴びた。中日打線に再逆転を許し、3連勝はならず。阿部監督は助っ人右腕について、「1個ああやって四球を挟んじゃうとね。苦しくなってくるんで」と指摘した。

 グリフィンの先発時は外国人枠の関係で今季全てケラーがベンチ入りメンバーから外れていたが、この日はヘルナンデスがベンチ外。カード初戦だった前日30日の中日戦で中川、大勢、マルティネスの勝ちパターン3投手が登板しており、この試合の控え投手を9人とし、リスク管理を徹底した。その中で送り出された右腕が結果的に今季初黒星を喫する形となった。

 通常、僅差のリード時に8回を担う大勢は前日、やや多めの21球を投じた影響もあってか、この日同点の場面で出番はなかった。5月27日の富山遠征もリフレッシュのために同行せず。必要不可欠な長いシーズンを戦い抜いてもらうために、先も見た運用を続けている。

 一方、8回は今季計23失点で、イニング別でここまで最多だ。敗戦時も19失点で同最多となっている。大勢は3失点のみだが、他の投手の登板時に失点がかさむ現状だ。大きくビハインドを許している際の失点もあるが、もちろんこの試合のように勝敗を分ける8回の失点もあるだけに、勝負どころでは減らしていきたい。

 打線は0―1の4回無死からキャベッジの2点二塁打で一時逆転した。一気に突き放したかったが、後続が倒れて追加点は奪えず、「(4回にさらに追加点が取れれば)また全然違った形になってただろうけど」と指揮官。ただ、最近3戦で9安打、9安打、10安打と継続して快音を響かせており、悲観する必要はない。

 5月は13勝12敗で終了。主砲の岡本を左肘靱帯(じんたい)損傷で7日の阪神戦から欠いているが、その間も11勝9敗とチームで奮闘しているのは数字にも表れている。

6月初戦で白星を飾り、3日から始まる交流戦に入りたい。(田中 哲)

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