狂言師・野村萬斎が9日、都内で行われた実演と大型映像を融合させた能楽公演「未来につなぐ、能楽の世界」(7月13・14日、大阪万博内EXPOホール・シャインハット)の取材会に出席した。

 同公演は鬼がテーマ。

約1時間の公演で、春・道成寺、夏・土蜘蛛、秋・菌と紅葉狩、冬・船弁慶の名場面でさまざまな鬼と日本の四季を描き、円形ステージの壁面に映し出される映像とともに披露する。総合演出を務める野村は「ダイナミズムに見せられる。初心者必見。どんな国の方でもぱっと見たら分かるものにしようと思っています」と話した。

 東京五輪の開閉会式の総合統括を務める予定だったが、コロナ禍の影響で大会の1年延期が決定。野村らのチームは解散した。同公演は万博内の会場で行われる。改めて能を世界に発信する機会が訪れ、「五輪はいろんなチームが集まり、能だけとはいかない。今回はこれぞザ・能楽です。ホラーでもいいし、ドラマを求めていただいてもいい。だてに700年やってねえぞ、と。おおいに日本のセールスポイントとして押し出せたら」と力を込めた。

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