◆日本生命セ・パ交流戦 2025 ソフトバンク3―7巨人(11日・みずほペイペイドーム)

 7回こそ疲れもあったんだろう、球が浮いてしまったけれど、最後のピンチも秋広を三振に取って7回3失点で先発初勝利。抜群だったよ、西舘は。

 もちろん序盤で援護をもらったのが大きい。大量点を背に、とにかくテンポが良かったことが好投の一番の要因だね。ポンポンとリズム良く投げるから、打者に考える時間を与えない。6回までは先頭打者をしっかりとアウトに取り、そのうち3度が三振。リードをしている時の鉄則を守っていたから、よりリズムが良くなる。守りにもいい影響が出て、ファインプレーが飛び出す好循環だった。

 球種ではカットボールが秀逸。2回、近藤を外角のバックドアで見逃し三振に仕留めたように、内にも外にもキレがあるからホームベースを広く使えていた。真っすぐのカウントでカットが来るからバットの芯を外す凡打になるし、少し沈むから空振りも取れる。

 292日ぶり2度目の先発。点差があったとはいえ、100球を超えた7回に走者を背負ってもベンチは交代のそぶりすら見せなかった。次の登板もあるよ、という期待の表れ。

無四球も立派。ローテ入りが濃厚になったね。(スポーツ報知評論家・宮本 和知)

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