◆報知新聞社後援 第74回全日本大学野球選手権▽準々決勝 青学大5―0北海学園大(13日・神宮)

 4年ぶり出場の北海学園大(札幌学生)は0―5で青学大(東都大学)に敗れ、1勝で準決勝に進出した1960年以来65年ぶりの4強入りを逃した。先発の最速148キロ左腕・木村駿太(4年=札幌国際情報)が6回を3失点(自責2)と粘投も打線が無得点に抑えられ、大学史上初の1大会3勝には届かなかった。

 史上初の大会3連覇を狙う王者の壁は高かった。北海学園大は青学大より1本少ない6安打を放ったが、終わってみれば5点差をつけられての完封負け。島崎圭介監督(53)は「集中力の差っていうのは非常に感じた。ここが全日本の厳しさ、優勝チームの強さなんだなと改めて感じました」と唇をかんだ。

 今大会初めて先発マウンドに上がった木村は「調子が良かった」というチェンジアップで3三振を奪うなど序盤3イニングを無失点。ピンチの場面では最速146キロをマークするなどギアを入れ、強力打線に対して好投を続けていたが「球数も結構投げさせられましたし、疲れにつながってきた」。4回2死三塁から内角直球でバットをへし折りながら中前に落とされ先制点を献上すると、5回は味方の失策が絡み犠飛で2失点目。7回無死から先頭打者の出塁を許したところでマウンドを降りると、2番手・高谷舟(4年=札幌日大)が暴投と2ランで3点を失い、突き放された。

 2回戦の佛教大戦で12安打を放った打線は、相手の技巧派左腕・ヴァデルナの前に5回まで無得点と沈黙した。6回は1死二、三塁の絶好機を迎えたが、2番手・鈴木の前に2者連続三振。その後も150キロ前後の直球を投げ込む右腕にねじ伏せられ、最後までホームベースを踏めなかった。

 4年ぶりに駒を進めた大舞台。

王者には完敗したが、最速159キロ右腕・工藤泰己(4年=北海)ら強力投手陣を武器に67年ぶりの1大会2勝を挙げるなど目標の8強にたどり着き、確かな爪痕は残した。大学ラストシーズンの秋に向け、木村は「ベスト8以上になれないことはない。もっと上を目指してこれからやっていく」と誓った。11月の明治神宮大会での4強、そして頂点へ。さらにレベルアップして聖地に帰ってくる。(島山 知房)

 〇…3番・常谷拓輝遊撃手(4年=札幌静修)が3安打で意地を見せた。1回に左前へ3試合連続となる安打を放つと、6回は右前に運びチャンスを拡大。8回は来年のドラフト候補に名前が挙がる鈴木の直球を左前にはじき返した。今大会は3試合で打率5割も、安打は全て単打で「長打が一本も出なかったのは実力不足。秋にまた(神宮に)来て、長打、ホームランでチームを勝たせる選手になりたい」と成長を誓った。

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