◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
担当するJ2札幌に深井一希という選手がいる。下部組織出身でポジションはボランチ。
2011年のU―17W杯に主力で8強入りに貢献。2年後にプロ入りするも1年目で1度目の左膝手術。以後、復帰と離脱を繰り返してきた。ピッチに立てない間は「クビになった感じ」と絶望感も味わってきた。「周りはどんなふうに見てるのだろう」と悩みもした。ただ、プレーができなくても、チームへの貢献は大きい。
負傷明けの選手は「一希の姿を見ていたら、泣き言は言っていられない」と口をそろえる。21日の藤枝戦で左膝前十字じん帯断裂などから566日ぶりに復帰したGK高木駿は「膝の神がいたのは大きかった」と真横で戦う深井の姿に支えられ、リハビリを乗り越えた。4月に深井が実戦復帰を果たした際には、岩政大樹監督がインタビューで感極まったほどだ。
ただ現在は、再び苦しい闘いが続いている。
◆砂田 秀人(すなだ・ひでと) 2020年入社。前職を含め、現担当は通算10年余り。