◆国際親善試合 日本1―3スペイン(27日、スペイン・マドリード)

 FIFAランク7位のサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は、同2位のスペイン女子代表とアウェーで対戦し、1―3で敗れた。これで公式戦3連敗となった。

 なでしこジャパンは攻撃時は4―3、守備時は4―2―2に変化するフォーメーションをこの試合も採用。ニルス・ニールセン監督の就任以降、ベースとなっている形で、2023年の女子W杯女王に挑んだ。

 開始早々にアクシデントが襲いかかった。前半18分、DF北川ひかるがボールを蹴り出した後に右膝を押さえて突如ピッチに座り込み、一度ピッチ外へ。同20分にそのままDF宝田沙織と途中交代することになった。

 アクシデントこそ起こったが、攻撃ではMF松窪真心(まなか)らが裏を積極的に狙い、打開を図った。守備でも粘り強く相手のチャンスをつぶした。すると前半30分、先制点を獲得した。高い位置で相手のパスをカットすると、そこからカウンターへ。右ウィングで先発のMF浜野まいかがエリア内のFW田中美南にパスを送ると、華麗にターンして相手をかわした田中がそのまま左足を振り抜きゴール右に沈めた。田中はA代表通算44点目となった。

 しかし同44分、来月2日に女子欧州選手権(EURO)を控える相手に、試合を振り出しに戻された。

ワンタッチでつなぐ華麗なパスワークからサイドに展開されると、右クロスをFWクラウディア・ピナが右足で直接合わせてゴール右へ。バルセロナの女子チームに在籍する23歳に同点弾を沈められた。

 同点のまま試合を折り返したが、後半20分にミスから勝ち越し弾を許してしまう。GK山下杏也加の縦パスをMF谷川萌々子が受けようとするが、相手のプレスに遭い、ボールはゴール前へ。MFビッキー・ロペスがフリーでボールを受けると、スペインの逆転につながる得点を冷静に沈められた。

 後半43分には、エリア右からFWアテネア・デルカスティージョに鮮やかなシュートをゴール右隅に決められて決定的な3点目を沈められた。伝統的にパスサッカーを志向する相手に同じくパスサッカーで挑んだが、及ばなかった。

 ニールセン監督の初陣となった2月のシービリーブス杯は13年ぶりに米国を破って優勝する華々しいスタートを切ったが、そこから公式戦は4戦勝ちなし。5月30日(日本時間31日)と今月2日(日本時間3日)のブラジル戦では、2年後女子W杯開催地で連敗していた。世界の強豪との試合で貴重な経験も得た一方で、世界一奪還への課題も再び突きつけられた。

◆なでしこジャパンの先発メンバー

▼GK 山下杏也加

▼DF 北川ひかる、古賀塔子、熊谷紗希、守屋都弥

▼MF 三浦成美、松窪真心、宮沢ひなた

▼FW 藤野あおば、田中美南、浜野まいか

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