◆米大リーグ オリオールズ22―8レイズ(27日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 オリオールズの菅野智之投手が27日(日本時間28日)、本拠地でのレイズ戦に先発して5回を投げ、9安打、7失点、3本塁打ともに渡米後自己ワーストを記録しながら、味方の援護に恵まれ、4試合ぶりの白星となる今季6勝目(4敗)を挙げた。

 菅野は2回に3被弾などで0―6とされるが、打線が反撃。

6―7で迎えた5回にサンチェスの逆転2ランで試合をひっくり返し、勝ちの権利がついた。2三振1四球、球数86球で防御率は4・06。日米通じて7失点以上で自身初勝利。日本人メジャーでは、09年4月13日の上原浩治(オリオールズ)以来4人目の7失点白星を挙げた。

 オ軍は今季最多21安打で、1954年などの球団記録に並ぶ史上3度目の22得点。シーズン中間地点となる81試合目を35勝46敗の借金11で折り返した。

 登板後の菅野の主な質疑応答は以下の通り。

 ―7失点で勝ち投手になった。

 「長い野球人生でおそらく初めて。これだけ点を取られて勝ちがついた。(5回に)逆転していなければ、続投だった。僕もまだ行くつもりでした。

でも、そういうレベルで納得したくない。最低でも6イニング3失点でまとめるのが、僕の役割だと思うので、もうちょっと高いレベルを目指していきます」

 ―2回以降の修正は。

 「ここ数試合、力むっていうのが強くて、細かいコントロールがつかなくて、思うような投球ができなかった。あの回も先頭打者にホームランを打たれて、“力む”という良くないところが出た。フレンチ(投手コーチ)がいいアドバイスをくれて、上半身の力を抜いて、両サイドのラインをしっかり出していったのが、いい結果につながった。粘っていれば、きょうの展開的に追いつけると思ったので、逆に出力を落としてコントロールだけ間違えないことを意識して投げました」

 ―今季16試合に登板。やはり、相手に研究されているか。

 「やっぱり低めのスプリットをいいところに投げても振ってくれない。だからこそ、リスク覚悟でゾーン内、見逃してもストライクというところに投げるのが、大事だと思う。でも、自分が受け身になってしまっているのが一番の原因なので。先に仕掛けないとやられてしまう。ストライクを取って、自分が有利な立場に持っていって、勝負はそこからなので。

おそらく、ストライク先行カウントで打たれたのは、ほとんどないと思います。原因は分かっているので、しっかりアプローチ出来るかどうかは、何度も言うように力みの部分。一つ一つ課題をつぶしていかなきゃいけないが、潰せるという手応えはありました」

 ―被本塁打を抑えるために必要なことは。

 「やっぱり、コントロールミスだと思う。あとは特に序盤ボール先行で最初のストライクが取れなかったので、先にストライクを仕掛けていくことがイメージできる方法だと思います。(初回は)良かったんですけど、ホームランでああいうイニングをつくってしまったのは、まだまだ自分自身、もろいところでもあると思います」

 ―味方打線が大爆発。

 「こういう勝ちが出来るチームだと証明することができたし、対戦する相手にも脅威になる。これを機に自分も含めていい流れに乗っていければいい。こういう試合が続くと、ある程度、ピッチャーも点を取られても大丈夫だと思って投げられる。切羽つまってマウンドに上がるのとは違うと思うので、意味のある試合だった」

 ―81試合を終了し、シーズンは折り返し地点に。やはり研究されているか。

 「よくできている部分も(あるし)、もうちょっと出来るんじゃないかという課題も明白になってきている。

きょうはその兆しを感じることができたので、後半戦につなげていければ」

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