◆米大リーグ ロイヤルズ4―5ドジャース(27日、米ミズーリ州カンザスシティー=カウフマンスタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が27日(日本時間28日)、敵地・ロイヤルズ戦に「1番・DH」でフル出場し、初回先頭で試合をまたいだ2打席連続弾で今季8本目の先頭弾となる29号先制ソロを放った。大谷が今季先頭弾を放った試合は7勝1敗で、この日も5連勝で今季最多の貯金21。

昨季フィリーズのK・シュワバー外野手(32)が樹立したシーズン最多先頭弾15本も視野に入ってきた。28日(同29日)の同カードで今季3度目の先発マウンドに上がる。

 試合開始直後、大谷が敵地を沸かせた。プレーボールのコールからわずか1分。大谷がジャストミートした打球は右翼席にある球場名物の噴水へと吸い込まれていった。前日26日の敵地・ロッキーズ戦の4打席目から試合をまたいで2打席連続弾の29号先頭弾。チームを勢いづけて5連勝へ導き、ロバーツ監督は「ショウヘイの一発でいいスタートを切れた」とたたえた。

 試合開始の約1時間20分前までグラウンドで翌日の先発登板へ向けキャッチボールをしていた二刀流男のいきなりの一発。今季は出場全81試合が1番で先頭弾は8本目。すでに昨季の自己最多6本を上回りシーズン15発ペース。昨季、シーズン記録を樹立したシュワバー(フィリーズ)の15本を捉える勢いで指揮官も「もしそれをやるなら、おそらくショウヘイでしょう」と期待を込めた。

 昨年6月中旬から定着している1番。

かつて大谷は1番打者での心得について「一番変わるのは1打席目。そこさえしっかりリズムよく入れれば十分仕事になる」と話したように、より集中力を高めて臨んでいる。大谷が先頭弾を放った試合は今季7勝1敗。この日は1度は逆転されたが、5回に同点の適時三塁打も放ち、ベッツの適時打で勝ち越しのホームも踏んだ。

 28日には今季3度目の登板を迎える。前回の登板間は19打数2安打で本塁打なしと調子を落としたが、今回は全4試合で安打を放ち、13打数5安打で3本塁打と絶好調。これまで登板前日に本塁打を打って登板すると13戦で9勝無敗。自らの登板へ勢いづけたことは間違いない。

 得意の6月も今季はなかなか調子が上がらなかったが、直近5戦4発で月間7発。本来の姿を取り戻してきた。その活躍ぶりにロバーツ監督が「なんと表現すればいいか言葉が足りない。彼はただすごい。

こんな選手は見たことがない」と敬意を表すと、2番を打つベッツも「俺たちはショウヘイの背中に乗って、彼は約束の地に導いてくれるだろう」と最大限の信頼を口にした。5年連続の30号にも王手。「史上最強の1番打者」の称号にも近づいている。(安藤 宏太)

◆大谷の主な記録

 ▽開幕83戦29発 ドジャースで開幕から83試合で29本塁打を放ったのは、1955年スナイダーの28本を抜いて単独最多。

 ▽1番で開幕83戦29発 1番打者として開幕からの83試合で29本塁打を放ったのは、1996年アンダーソン(オリオールズ)の26本を上回って単独最多。

 ▽29発&7三塁打 1901年以降に前半戦で29本塁打と7三塁打をマークしたのは1921年のB・ルース、27年L・ゲーリッグ(ともにヤンキース)、32年J・フォックス(アスレチックス)以来93年ぶり4人目。

 ▽先頭弾通算20発 大谷の先頭弾は今季8本目で、21年4本、22年2本、24年6本で通算20本目。日本ハム時代は1本だけ。

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