◆米大リーグ オリオールズ22―8レイズ(27日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)
オリオールズの菅野智之投手(35)が、プロで初めて7失点しながら勝利を手にした。本拠のレイズ戦に先発し「9安打」「7失点」「3被弾」のいずれも渡米後ワーストを喫しながら5回を投げ、直後に味方が逆転し6勝目が転がり込んだ。
「長い野球人生でこれだけ点数を取られて勝ちが付いたのは、おそらく初めて」と目を丸くした。今季15試合で最多4失点だったが、2回だけで6失点した。先頭の4番と1死後の6番に、ともに甘く入ったカットボールを運ばれ、B・ローにはカーブを捉えられ渡米後初の3ランを許した。「力みが強かった。ああいうイニングをつくってしまうのは自分自身のもろいところ」と反省した。
巨人時代、菅野が先発し勝利投手となった試合では、19年5月8日のDeNA戦(新潟)での6回5失点が最多だった。メジャーで7失点しながら勝利投手となったのは、ドジャース・野茂英雄(97年8月1日、対カブス)、Rソックス・松坂大輔(07年9月3日、対ブルージェイズ)、オリオールズ・上原浩治(09年4月13日、対レンジャーズ)に続き、日本人投手4度目の珍記録だった。
3回以降は1失点。投手コーチのアドバイスで「逆に出力を落としてコントロールだけ間違えないことを意識した」と立ち直ったのはベテランの経験値の高さゆえ。終わってみれば球団史上2位タイの22点を挙げ6点ビハインドを覆し、14点差の大勝。ワースト失点でも勝ったことを糧とし、次の登板につなげたい。
◆菅野の巨人時代の最多失点 先発し勝利投手となった試合では、19年5月8日のDeNA戦(新潟)での6回5失点が最多(被安打8)。