◆パ・リーグ オリックス7―3楽天(28日・京セラドーム大阪)

 オリックス・才木海翔投手が、プロ初勝利を挙げた。同点の5回2死一、二塁、2番手でマウンドに上がり、ゴンザレスと対峙(たいじ)。

最速150キロの直球とフォークで投ゴロに仕留め、大卒3年目にして記念すべき白星をつかんだ。

 22年に育成ドラフト2位で入団。当時は2軍投手コーチとして指導した岸田監督は「マウンド度胸がある。投手にとってすごく大事なところで、才木にはそこがある」と、ピンチで火消しに成功したまな弟子を称賛した。

 1年目のオフには、選手と指導者として、ともに台湾でのウィンターリーグに参加。「台湾はあの子にとって大きかったんじゃないかな。それまではいろいろ悩んでいたり、フォームも固まらなかったりってところがあったけど、最後は決勝戦まで駆け上がった時に、あの子の本領が発揮された」。10試合で無失点と飛躍のきっかけをつかんだ1年半前を、感慨深げに振り返った。

 強気な投球スタイルを知るからこそ、なかなか調子が上がらない時には「台湾を思い出せ。考えて投げられる投手じゃないから、どんどん押していけ」と激励。才木本人は「よく見てくれている存在」と、そばで支えてくれた指揮官への感謝を口にした。

 リリーフの先輩右腕・山岡から授かった、「自分の間で投げろ」との助言をマウンドで体現した156キロ右腕。

「まずはマウンドで堂々と、思い切って自分の球を投げ込むことでしか始まらない。あの子はそれが入ってきたときからできていた。ここからいろいろ、どんどんうまくなっていったりするんじゃないですかね」。岸田監督の期待を背負い、V奪回へのキーマンとなる。

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